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新人ヒップホップアーティスト、フランク・オーシャンが異例のカミングアウト

2012年7月11日
フランク・オーシャン
hollywood.comよりフランク・オーシャン
hollywood.comより
7月4日、音楽業界に大きな衝撃を与える出来事が起きた。人気歌手ジャスティン・ビーバーやジョン・レジェンドなどにも楽曲を提供する新人ソングライター兼ラッパーでもあるフランク・オーシャン(24)が、ゲイであることをカミングアウトしたのだ。

フランク・オーシャンはルイジアナ州ニューオリンズ出身のソングライター。タイラー・ザ・クリエイターがリーダーを務めるヒップホップグループ、OFWGSTA(オッド・フューチャー)の一員で、2011年2月に発表した無料アルバム“nostalgia, ULTRA”が各メディアで大絶賛され、無料作品ながら2011年のベスト作品に選ばれるなど大きな反響を呼んだ。さらに、人気歌手のビヨンセともコラボし、共同で「I Miss You」を書き下ろすなど、着実に力をつけてきている新人アーティストである。

【動画】心にしみる歌声 フランク・オーシャン「I Miss You」を熱唱


事の発端はデビューアルバムの視聴会でのこと。フランクのいくつかの楽曲が、実は男性のために歌われたものではないのかという指摘を受けたのだ。それが噂として疑惑が広まり、同性愛を告白するにまで至ったのである。

「初恋の相手は男性」であったことを明かしたフランク。ラッパーとしてのカミングアウトは極めて異例のことで、ヒップホップカルチャーにおいて、大きな影響を与えるのではないかと言われている。

フランクは、3年前にとある青年と恋に落ち、それから全てが変ったと赤裸々に告白。発表された文書は、どこか切なく、心に響くポエムのように綴られており、大きな反響を呼んでいる。以下、告白文抜粋。

「どうしようもなく恋に落ちてしまった。それは初恋だったんだ。それから僕の人生は変わった。それからずっと神に向かって叫び続け、なぜ自分がそうなってしまったのか答えを求めていた。あるいは赦しを請いたかったのかもしれない。今までのガールフレンド達について書いた曲も、その後ではまるで自分の知らない言葉で歌っていたかのように、まるで現実味が無いんだ。とにかく、あまりにも唐突に自分の真実に気付かされてしまい、それは苦しかった。結局その恋は叶うこと無く、彼はオレにはっきりとした答えをくれないまま終わってしまったよ。」「それでも、全てが巡り巡って今は彼に感謝の気持ちでいっぱいだ。オレが求めていた愛が得られなかったのだとしても、決して叶わない望みだったのだとしても、感謝している。今オレはやっと自由になれた気がするんだ。耳を澄ませば、空が降ってくるのさえ聴こえてきそうだ。だからこれを読んでくれた全ての人たちに感謝したい、ありがとう」

勇気を振り絞り、ラッパーとして異例のカミングアウトをしたフランク。現在は初ソロアルバム「Channel Orange」のリリースを控えており、今回の「告白」がどのように影響してくるか未知数ではあるが、偏見に負けず、時代をリードしてゆく新生ラッパーとして、今後の彼の活躍に期待したい。
 
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