アーチー王子とリリベット王女の敬称をめぐり、イギリス王室内に不穏な空気が流れている。
エリザベス女王の死去にともない、君主チャールズ国王の孫であることから王子と王女の称号が与えられた、ヘンリー王子の長男アーチー王子とリリベット王女。
しかしこのたび、彼らにロイヤルメンバーの敬称である「HRH(殿下/妃殿下)」が与えられないことがわかった。
英サン紙が報じたところによると、HRHの敬称を与えるかの交渉は、女王が死去して以降、国王とヘンリー王子夫妻の間で1週間にわたって行われたという。
関係者は今回の決定について、「これが合意に至った内容だ。彼らは王子と王女にはなれるが、現役のロイヤルメンバーではないことから、HRHは与えられない」と語っている。
話し合いの中でヘンリー王子とメーガン妃は、アーチー王子とリリベット王女に「HRH」を与えるべきだと執拗に迫ったという。しかし、その希望が叶わなかったことに「激怒している」という。
アーチー王子とリリベット王女の肩書きをめぐっては、エリザベス女王が存命中に王子と王女の称号が与えられなかったこともヘンリー王子とメーガン妃が不満を抱える一因となっていた。
メーガン妃は当初、アメリカで出演したインタビュー番組にて、称号が与えられなかった理由について「人種差別ではないか」とほのめかしていた。
しかしその後、王室の制度上、君主のひ孫にはそもそも称号が与えられないものであることが明らかになっている。
なおヘンリー王子夫妻がここまでHRHにこだわる背後に、警備上の問題がある。夫妻は子供たちに王位継承権がある以上、相応の安全保障が必要だと主張しているのだ。
しかしある王室専門家は「王位継承権があるとはいえ、現役のロイヤルメンバーとして公務につくことがない以上、敬称が与えられないのは極めて当然のことだ」と指摘している。