9月19日(月)に執り行われた、イギリスの女王エリザベス2世の国葬。70年にわたりイギリスおよび連邦諸国を治めつづけた偉大な君主の葬儀とあり、世界各国から約500人の要人がイギリスを訪れ、参列した。
ヨーロッパ諸国の国王夫妻やアメリカの大統領らが集まる中で、特に重要視されたゲストが、日本の天皇陛下だったとされている。
イギリスと日本は、かねてから友好的な関係を築いてきた。エリザベス女王の訃報を受け、天皇陛下は3日間喪に服し、哀悼の意と感謝を示す「お気持ち」を発表されている。
また、日本政府の松野博一官房長官は9月14日(水)、「イギリス王室と我が国の皇室は、天皇陛下、上皇陛下、昭和天皇と3代にわたり、長く親しい関係にありました」と述べ、天皇皇后両陛下の国葬参列を明らかにしていた。
天皇陛下は2019年に即位した際、最初の外国訪問としてイギリスへ招待されており、2020年に訪れる予定となっていたが、新型コロナウイルスの流行により延期されていた。
また神道において、天皇陛下は死を不浄なものとみなすため、国内外の葬儀に両陛下が参列されるのは異例のこと。それでも、昭和天皇から3代にわたり築いてきた親密な関係に敬意を表すため、今回の訪英が決まったという。
日本の皇室とイギリス王室の交流は古くからあったが、第二次世界大戦を機に中断していた。そして1971年、昭和天皇がイギリスに招かれたところから交流が再開。過去に敵対国であったことでイギリス国内からは反発も強かったが、エリザベス女王の平和を望む一言により、その後友好的な関係が続くこととなった。
また1975年には、エリザベス女王がフィリップ王配とともに、イギリスの君主として初めて、国賓として日本を訪れている。
今回葬儀に参列された天皇陛下は1980年代にオックスフォード大学に留学しており、滞在中に女王を訪問したこともあった。
天皇皇后両陛下は17日(土)に政府専用機で日本を出発。20日(火)に帰国されている。