スクーター・ブラウンは、自身の行動になにかしらの結果が伴うことを十分に理解しているようだ。
2019年、音楽レーベル「Big Machine Music Group」を買収し、歌手テイラー・スウィフトの最初のアルバム6枚分の原盤権を獲得した大物プロデューサーのスクーター・ブラウン。
当時の強引なやり口や、テイラー・スウィフト本人が「知らされていなかった」と告発したことが大きな騒動となったこの問題だが、いまになってスクーター自身も「他にやり方があったかもしれない」と考えているという。
9月27日(火)、元NBA選手ジェイ・ウィリアムスのラジオ番組に出演したスクーターは、「ぼくはとても大切なことを教わった」と当時を振り返ると、「あの取引をしたとき、ぼくはオーナーととても厳しいNDA(秘密保持契約)を結んでいて、どのアーティストにも話せなかったんだ。許されなかった。法律的にも」と続けた。
そして、「このレーベルで、すべてのアーティストと仕事ができることを本当に楽しみにしていた。だから契約が本決まりしたとき、それぞれに電話して伝えたんだ。『おい、ぼくもこれから仲間だよ』ってね。でもその電話をかけはじめたとたん、地獄が始まった」と付け加えた。
スク―ターが指す「地獄」とは、テイラーによるSNSでの告発だろう。
テイラーは自身のSNSで、スクーターによる原盤権獲得を「最悪のシナリオ」と表現。この事実そのものをニュースで知ったとしたうえで、スクーターから長年いやがらせをうけていたと訴えたのだ。
番組の中でテイラーとの交渉がうまくいかなかったことについて、「言葉がうまく伝わっていなかった」と説明したスクーターは、「誰かと対立したとき、そもそも相手に会話をする気がなければ解決はむずかしい。ぼくが後悔しているのは、この取引が成立すれば、みんなぼくと会話し、ぼくの意思や人柄を絶賛し、『一緒にビジネスをしていこう』と思ってくれると思い込んでしまっていたことだ。それを、ぼくのことをしらない人達に押し付けてしまった」と告白したスクーター。
そのうえで彼は、「そこからとても大切なことを学んだ。二度とそんな思い込みはしないと」と語ると、「相手のことを知らない以上、そんな傲慢(ごうまん)な姿勢でいてはだめだ」と付け加えている。