ある偶然の事故により、命を救われた女性がいる。
カリフォルニア州在住のペイジ・キング(25)は今年5月、故郷レディングで開催されたロデオ大会を観戦中、暴走した牛におそわれるという事故にあった。
ペイジ・キングはその日、ボーイフレンドとロデオ大会を見に訪れていたが、出場していたボーダー・クライシスと名付けられた暴れ牛がアリーナから観客席に飛び込み、ペイジを含む複数人がケガをした。
Fox Newsの取材に、「誰も想像していなかったでしょうね」と語ったペイジは、「ボーイフレンドと一緒に座って、大会を見ていたの。少し目をそらしていて、視線を戻したその瞬間よ。牛がまっすぐ私に向かってきた。何が起こったのか、よくわからなかったわ。理解するまでしばらくかかった。ボーイフレンドが抱き上げてくれて、はじめて『ああ、牛にぶつかられたんだ』ってわかったの」と当時の状況を振り返った。
ペイジのケガは、牛のヒヅメが背中に当たったことによる擦り傷、打撲、骨折など複数におよんだというが、その後、治療により回復している。
しかしこの治療は、ペイジにとってささいなものに過ぎなかった。治療の過程で、さらに厄介な症状が明らかになったのだ。
ペイジの父エリック・マットソンは「彼女は救急治療室に運ばれて、CTスキャンが行われた」と語ると、「そこでドクターが、彼女の首にしこりのようなものがあることを発見したんだ。事故によるケガから発生したものかとも考えられたが、ガンの可能性も生まれた」と続けた。
その後の検査で、ペイジは「甲状腺ガン」であることが明らかとなった。
「とにかくショックだった」と語ったペイジは、「何が起きたのかよくわからなくて、黙り込んでしまったのを覚えているわ」と率直な心境を述べた。
こうして訪れたテキサス州の病院で、彼女のガンがステージ1であることが判明。今後、腫瘍を取り除く手術を受けるべく、クラウドファンディングで資金を募っている。
「もしあの場所に行かなかったら、腫瘍は見つかっていなかった」と語ったペイジは、「こうなったことはうれしい反面、やっぱりクレイジーよね」と明かしている。
さらにクレイジーなできごとは続く。事故後、ペイジがある日ドライブをしている時、左前方を見ると、なんとあのとき自分に突進してきた牛がいたのだ。
「ありえない!」とおどろいたペイジは車を止め、その牛とのセルフィーを撮影した。この時についてペイジは「怖かったけど、楽しかった!一周回って、これからもずっとこの経験を大切にしたい」と語った。