アメリカ・ペンシルベニア州出身のシンガー・ソングライターのデイヤ(Daya)に、tvgrooveとしては2度目となるインタビューを実施した。
デイヤは2015年に「Hide Away」でデビュー。同曲は「Billboard Hot 100」チャートでトップ30入りを果たすことに。さらに2016年、人気DJデュオ ザ・チェインスモーカーズ「Donʼt Let Me Down feat. Daya」にフィーチャリング・ヴォーカルとして参加し、全米シングル・チャート最高3位を記録、また第59回グラミー賞では、「Best Dance Recording」部門を受賞する快挙を成し遂げた。
【動画】The Chainsmokers – Don’t Let Me Down (Official Video) ft. Daya
2017年には、日本の音楽フェス「サマーソニック」に出演。同年にはアメリカの大人気フェス「コーチェラ」にも出演を果たし、オーディエンスを魅了した。
今回実現したインタビューでは、彼女の音楽キャリアや新EP「In Between Dreams」について質問をぶつけてみた。さらに彼女の恋愛観や日本への愛など、幅広いトピックについて、たっぷりとお話を聞くことができた。
記録的大ヒットから6年、音楽キャリアの変化を語る!
ーーデイヤさんは、ザ・チェインスモーカーズとのコラボ曲「ドント・レット・ミー・ダウン」で一躍世界的に有名になりました。あれから6年たちますが、デイヤさんの音楽キャリアはどのように変化していますか?
あれから自分が望むようにすごく自然に進化できたと思っているの。「ドント・レット・ミー・ダウン」にはとても感謝している。特に、あの曲が海外での自分の立ち位置みたいなものを確立させてくれるキッカケになったと思う。世界中ツアーをすることもできたし、日本にも何度も来ることができて、それも最高だった!すごく感謝の気持ちでいっぱいなの。
それから曲作りをもっと追求していきたいという気持ちがすごくあって、より曲作りに力を入れていったの。今後どうなるんだろうっていう思いもあったけど、そこから色々なコラボやプロジェクトが発展して、ここまでこれたの。とても誇りに思っていて、今後もそういう風に続けていけたらと願っているわ。
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新EP「In Between Dreams」は、夢と現実の間のグレーゾーンを表現
ーー10月21日に新EP「In Between Dreams」をリリースされます。こちらはどんなEPになっていますか?
ここ一年ぐらいの、自分が体験してきたことがすべて詰まってるの。一年の中での瞬間瞬間だったり、あとは今までの、付き合って来た人たちとの関係について振り返る時間にもなったかなって思ってる。初めてこの一年で、自立して自分自身で住むこと、ひとり暮らしを体験して、自分探し的な感じで、そういう意味ではすごくよかった。
ただ、やっぱりそういう孤独感も感じる時期ではあったの。独りだなあ…って思うときがあって、このEPはその寂しさなどを追求していて、さらに、別れてしまった相手との関係について振り返っている。こうしていれば、もうちょっと結果が違ったかなっていうふうに思ったり。でも結果的には、これで良かったんだなと。別れたからこそ次に向かうことができたし、今は自分らしく成長するという自由を見つけることもできたの。
コンセプトは80年代!ストーリー仕立てのMV作りに初挑戦
ーー「In Between Dreams」は80年代のような懐かしさとポップなアップビートを感じました。今回はそういったサウンドを意識しているのでしょうか?
そう、意図的に意識したの。そのときっていうのは80年代、例えばポストパンクや、ニュー・ウェイヴをよく聞いていたんだけど、特にそれが1曲目の「Love You When Youʼre Gone」に表現されていると思う。あと、80年代後半から90年代前半にかけての、ちょっと夢心地なステキなサウンドが「New Romantics」や「Her」に入っているの。80年代のドラムやシンセサイザーが気に入っていて、それが今回のEPのコンセプトとすごく合っていると思ってる。この夢心地の世界観というか、想像上のファンタジーの世界をうまく伝えるツールになっているかなと思うの。
【動画】Daya – Love You When You’re Gone (Official Video)
ーーミュージック・ビデオもビデオテープで撮影したような少しレトロな雰囲気が漂っていますね。ミュージック・ビデオの撮影ではどんなところにこだわりましたか?
そう、16ミリフィルムで撮影したの。フィルムの質感みたいのがすごく好きで、だからそれを今回のビデオにぜひ入れたいなと思って。ディレクターのミッチもあのフィルムが好きで、もともとショートフィルムを撮ってる人だから、目が利くの。あとストーリーベースのビデオもすごくセンスが光っていてそれでストーリー的なものを伝えるっていうのは、今回、私にとってすごい大事な要素だったの。自分自身のストーリー、そして進化していく過程の中で今までの恋人との仲を描いたの。
振り返ってどうだったかって考えるのと同時に、瞬間瞬間、そのときの要素みたいのが映像として出てきて。最後に二人が目と目が合うシーンがあるの。そこが、別れてから初めてお互いに目が合う瞬間で、それは二人ともそこでようやく、気持ちが落ち着いた、かたがついたという瞬間なの。それぞれが違う道に、心の平和を保ちながら進む瞬間ね。こういうナレーションベースのビデオはこれが初めてだったけどすばらしい、すごく良い体験になって、スタッフたちもすごい良かったし、セットも良かったし、すべてにおいてすごい良い日になったわ。
じつは引きずるタイプ!?恋愛観を赤裸々告白
ーー「Her」では前の恋人との思い出に飲み込まれることを歌っていますが、デイヤさんは前の恋愛を引きずるタイプですか?それとも比較的すぐに切り替えられるタイプですか?
その二つのオプションで言ったら…引きずるタイプかな(笑)。付き合う相手を見つける時って自分にとって大事な要素が色々あるから、誰でもいいってわけではないの。これとこれとこういうのが自分にとって大事だっていう人がようやくあらわれると、その人にすごく依存というか…気持ちが強く惹きつけられてしまうの。だからこそ、別れるときはすごくツライのよね。誰とでも付き合うっていうよりかは全然いいと思うんだけど、だからこそ関係が終わるとすごくツライ。
【動画】Daya – Her (Official Visualizer)
ーー相手に求める部分では、どういったところを重要視してるのですか?
信頼関係が築けることがすごく大事。あとはユーモアのセンスがある人、もしくは自分とユーモアのセンスが似てる人で、そして柔軟性のある人。だから、自分の気持をしっかり伝えることができるんだけれども、時には、妥協もできるっていうことも大事ね。
ーーデイヤさんの歌の中やミュージック・ビデオでは恋愛対象が女性ですね。NYのプライドイベントにも参加されましたが、自身のセクシャリティーについてどう感じ、また伝えたいメッセージはありますか?
自分の体験をつづっていくことが重要というか、それ以上でもそれ以下でもないの。だからその時の恋愛対象が女性だったり、もしくは男性だったり、そのジェンダーの対象の人をあのビデオの中で恋愛の対象として登場させるっているの。それが女性だったら、たまたまその時は女性のこと好きだからということなの。
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だから、曲やミュージックビデオは「自分の人生を追っているもの」 という風に考えている。ただ、すごく重要なのは「可視性」を提示していくこと。それが重要だと思っているの。もし自分がもっと若かったら、自分の大好きなアーティストが、例えば女性との恋愛関係のビデオを出してたらすごい興奮したと思う。それが可能なんだっていう。自分自身が若い頃は、逆にそういうのが見れなかった。そういう経験があるからこそ、そういった部分にどんどん光をあてていくことが重要かなと思う。 だから、自分のファンにも「何でも可能なんだよ」っていう、別に女性であろうと男性であろうと、ふつうの恋愛っていうのは可能なんだっていうことを伝え、しっかりと焦点を当てることが大事だなって思ってる。
コロナ禍の曲作りでアーティストとしてさらに成長!
ーー最新EPの「In Between Dreams」、2021年の「The Difference」はコロナ禍で制作されたと思うのですが、そういった状況下での曲作りはどのような感じだったのでしょうか?
前作の「The Difference」の方がコロナの影響をすごく感じた。もうほとんどすべての曲作りを自分の部屋でおこない、レコーディングも自分でセットアップして自分のマイクを使って、録音したの。曲作りももうほぼ全部ズーム越しでおこなったから、自分にとっては新しい体験ではあったけど、最初はやっぱり変な感じで。自分の気持ちを調整するのも、ちょっと時間がかかったと思う。
基本的には、レコーディングとかクリエイティブな作業しているときは、一緒に作業してる人たちのバイブスからエネルギーをもらって、それがまた創造力を発揮する感じなんだけど、ズームでの曲作りっていうのはそれじゃなくて「はい、じゃあこれ作りました、送信します。はい、それができました、これで曲をのせてください」みたいな。なんかあんまりこう一連の流れがないというか、自分的には曲作りというのは、その場の自然発生的な流れにすごく刺激されるところがあるから、そこがちょっと難しかった。
それでもこの体験にはすごく感謝している。自分でなんでもできるようになったからね。自分自身のレコーディングをするっていうのは初めての体験だったし、それができて良かった。
今回のEPに関しては、もうほぼセッションが普通に戻って、ビジュアル的にも普通に撮影もできたし、前回は本当に家の中でルームメイトがカメラマンになってくれて撮影したの。本当にDIYだったけど、前作から今作にかけての色々な体験がすごい勉強になった。
【動画】Daya – New Romantics (Official Lyric Video)
誕生日を日本で過ごすほどの大の日本好き!
ーーデイヤさんは2017年に日本の音楽フェス「サマーソニック」出演のため来日されました。今後また日本に来る予定はありますか?
今は具体的な予定はないけど、ぜひ機会があれば、すぐにでも行きたい!ライブでも、曲作りでも、本当に日本が大好きで、日本人や、日本の文化も大好き。今まで世界中色々な所に行って、「ここが第二の故郷」だと感じたことなかったけど、日本はすごくアットホームで、自分のホームグラウンドだなっていう気持ちがすごくするの!音楽や芸術を支持している感じが、伝わってくるのが、本当にエキサイティングだし、機会があればすぐに行きたい!
【動画】2017年に「サマーソニック」に出演したときのバックステージでのtvgrooveによるインタビュー
ーー誕生日を日本で過ごしたことがあるそうですね?
そうなの!18歳の誕生日に日本で過ごしたの。ちょうどツアーが終わった後で、焼肉を食べに行ってカラオケに行って、お母さんとバンドメンバーでウィッグを被ったりして騒いだの!自分のバースデーパーティーの体験の中では、あれが一番の思い出ね!
ーー10月24日はデイヤさんの誕生日ですが、今年はどのように過ごしますか?
まだ決めてないけど、カリフォルニアで小旅行的なものするかな。友達や家族を連れて小旅行も良いし、大体はそうやって家族でリラックスして、それから大きなパーティーをするっていう感じなの!
ーー今年もあと2ヶ月で終わりますが、来年の目標を教えていただけますか?
もっとアルバムを出したいな!5年ぐらいアルバムを出してないから、そろそろいい時期かな。それに向けて準備をしているの。あとはライブも企画していて、海外でもできたらいいなとも思っていてワクワクしてるの!
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ーーぜひそのライブで日本に来てくれることを願ってます。
絶対行く!!
ーー最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。
皆さん応援本当にありがとうございます!私が日本にいなくてもSNSやネットを通じて長年応援してくれていて、本当に皆さんの愛を感じています。皆んなのことが本当に大好き!
(インタビュー終わり)
リリース情報
EP「In Between Dreams」
配信日:2022年10月21日リリース
<「In Between Dreams」ダウンロード&ストリーミングはこちら>
https://avex.lnk.to/
1.Love You When Youʼre Gone
2.New Romantics
3.Her
4.See You In My Dreams