映画『ハリー・ポッター』シリーズにてドラコ・マルフォイ役を演じたトム・フェルトン(35)。彼がアルコール依存症で苦しんだ過去を告白した。
トム・フェルトンは10月19日、自伝本「Beyond the Wand: The Magic and Mayhem of Growing Up a Wizard」を発売。その著書の中で、アルコール依存症との闘いの様子を明らかにした。
アルコール依存症に苦しみ、なんと3度もリハビリ施設へ入所したというトム。彼は20代のほとんどの時間を「逃げるように飲む」という行為に費やし、ロサンゼルスのバーで過ごしたという。本の中で彼は「飲酒が最高の習慣になっていた。現実逃避をするために飲むとさらに良い。飲酒の習慣はバーの域を超えて、時には撮影現場にまでおよんだ」と、次第に飲酒の習慣が度を越していったと書いている。
「仕事中に酒を飲むことを何とも思わなくなるほどの状態だった。何も準備せずに現場に行ったり、自分がなりたいプロフェッショナルとはかけ離れていた。アルコール自体が問題なのではなく、症状が問題であった」
彼の依存症に対し、事務所やマネージャー、弁護士、元恋人のジェイド・オリヴィアが彼を思って介入してくれたという。
しかし「部屋にいた全員が僕に手紙を書いてくれた。ジェイドやほかのみんなが、僕の振る舞いをいかに心配しているかを聞いた。僕の飲酒や薬物乱用などを。でも意見を聞き入れられるような状態ではなかった」という。
トムは、ほとんど面識のない弁護士からの手紙が最も切実で、マリブのリハビリ施設に入る決め手となったと認めている。しかし、この施設は長くは続かず、入所して24時間も経たないうちに、彼は自暴自棄になってしまった。
「とつぜん、フラストレーションが爆発したんだ」と書くトム。「今思うと、久しぶりに完全にシラフで、圧倒的な透明感と怒りがあったんだ。神に向かって、空に向かって、誰に向かってかわからないけど、自分の身に起きたことへの怒りで叫び始めた。僕は、空と海に向かって全力で叫んだ。全てを吐き出し、もうこれ以上叫べなくなるまで叫んだ」
しばらくして、トムは別のリハビリ施設に入ったが、女性の部屋にいるところを発見され追い出されたという。その後、再びリハビリ施設に入ったことで彼は立ち直ることができたそうだ。
トムは「こういった感情を持っているのは僕だけではない。私たちはみな、人生のどこかで体の不調を経験するのと同じく、心の不調も経験する。それを恥じることはないのです。弱さを示しているということでもない。このページを書く決心をした理由の一つは、自分の体験を共有することで苦しんでいる誰かの助けになるかもしれないという希望です」とつづっている。