人気映画シリーズ『ハリー・ポッター』のドラコ・マルフォイ役で知られる俳優のトム・フェルトンが、過去にハーマイオニー役のエマ・ワトソンのことをバカにし、後悔していることを明かした。
今回、回顧録「Beyond the Wand: The Magic and Mayhem of Growing Up a Wizard」を発表したトム・フェルトンは、著書の中で共演者でいまでも親しい中であるエマ・ワトソンとのあるエピソードについて明かした。
『ハリー・ポッター』の撮影の初期の頃、当時まだ9歳だったエマ・ワトソンがセットでダンスを披露した際、トムはそれを見てバカにし笑ったという。
このエピソードを振り返ったトムは、「恥ずかしく思ってる」と、エマに失礼なことをしてしまったことを反省し、後悔していることを明かした。
これには、映画に登場する寮「グリフィンドール」と、そのライバルの寮である「スリザリン」の仲が関係していたようだ。
トムは「初期の頃は、グリフィンドールとスリザリンの間に明確な溝があった」「2つの派閥が互いに距離を置いていたのは、僕たちが一緒に仕事をする時間がそれほど長くなかったことが主な理由なんだ」と、私生活でも2つの寮に溝があったことを明らかにした。
またトムは「決して仲が悪いわけではない」としながらも、育った環境や好みに違いがあったと語っている。
「僕たちは自分たちの方が少しクールだと思っていたと思う。僕たちは自由時間にはラップ音楽を聴いていたからね」「だから、9歳のエマが楽屋で小さなダンスショーを作って、ランチタイムに僕らに見せたいとジョシュと僕に知らせてきたとき、僕らは拒絶したんだ」
「エマのショーを見て鼻で笑い、彼女が踊るにつれて鼻で笑う声が大きくなった」「僕たちは、気まずいのと、バカにするのがかっこいいと思ったんだ。ただのクソガキで、エマは僕たちの軽率な反応に明らかに動揺していた。僕はちょっとイヤな奴だと思ったけど、当然だよね」
当時まだ12歳だったトムはクールに振る舞おうとするゆえに、エマを傷つけるような行動をとってしまったという。その後、トムはヘアメイクの女性と会話した後、エマに謝罪したという。
「僕は謝罪し、エマは僕の謝罪を受け入れてくれた」と、和解したことも明らかにした。
またトムは、男の子たちに囲まれた環境で仕事をし、他の男性キャストたちとは異なる意味で世間の注目を浴びるようになったエマを同情するコメントもしている。
エマ演じるハーマイオニーは唯一の女性主人公で、映画の人気が爆発すると、突然スポットライトを浴び、男性共演者たちとは異なる種類の詮索をされるようになったという。
「彼女が経験したプレッシャーは、単に愚かな男の子に対処しなければならないということだけではなかった」「エマは普通の子供時代を過ごすことができなかった。彼女はキャスティングされたその日から、いろいろな意味で大人扱いされた。こういった現象は、男の子よりも女の子にとってより困難なことだと思う。彼女たちはメディアやそれ以外でも不当に性的に扱われるんだ」
こういったこともあり、トムはエマに安全でフレンドリーな環境を提供すべきであったにもかかわらず、彼女のダンスを笑ってしまったことを余計に反省し、一番やってはいけないことであったと感じたという。
「だから僕たちの(彼女をバカにした)行動を思い出して恥ずかしく思うんだ」「そして、僕たちの友情が僕の無神経さという岩の上に築かれたのではなく、より深いものになったことをうれしく思う理由なんだ。僕たち二人の人生の試金石となったんだ」