英ヘンリー王子が来年1月に発売する回顧録(自伝的著書)のタイトルが、「Spare」であることが明らかとなった。
先日、ヘンリー王子の自伝本が2023年1月10日に発売されることが決定したというニュースが出た。そして今回、同著の出版社ペンギン・ランダム・ハウスは、本のタイトルが「Spare」であること、そしてこれにはヘンリー王子が2020年に王室を離脱し、アメリカに移住することを決めた背景がすべて語られる予定であることを明かした。
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ペンギン・ランダム・ハウスは同著の内容について「ダイアナ妃が亡くなったとき、世界中の人が王子たちは何を考え、何を感じ、彼らの人生はどのようになってしまうのだろうか、と考えました。ヘンリー王子にとって、これはついに自分の物語となるのです」や、「この本は読者を、20世紀で最も痛ましい出来事へと連れ戻す・・母親の棺桶の後ろを歩く2人の少年、2人の王子」と表現している。
なお、バッキンガム宮殿(ロイヤルファミリー側)は、この本についてのコメントは差し控えるとしている。
さて、この本のタイトル「Spare」だが、果たしてどういう意味合いになるのだろうか。英語で「spare」とは、「使わないでとっておく」「予備の」などといろいろな意味がある。このタイトルは君主制度には「相続人と予備の人(heir and spare)」が必要だという英語のフレーズから来ているという。
ヘンリー王子はウィリアム王子の弟であり、チャールズ国王とダイアナ妃にとって第二子。王位継承順位もウィリアム王子より下にある。どうやら「自分は常に予備の(スペアの)存在であった」という、ほろ苦い意味が込められているようだ。
同著の収益の一部はチャリティに寄付される。出版社によると、慈善団体「Sentebale」と「WellChild」にそれぞれ130万ポンド(約2億円)と30万ポンド(約5000万円)寄付するという。
この団体、「Sentebale」は2006年にヘンリー王子が共同設立した団体で、レソトとボツワナでHIVの感染と戦う子供や若者を支援している。「WellChild」は、特別な支援を必要とする若者が、病院ではなく自宅でケアできるように助成金を提供するイギリスの慈善団体だ。
2021年、この本の契約が発表されたとき、ヘンリー王子は「人生のアップダウンを、正確で完全に事実に沿って書く」と約束した。当初は今年秋発売予定であったが、今年9月にエリザベス女王が死去したことを受け、内容を追加するとともに発売も延期となった。
「Spare」は世界中で同じ日(1月10日)に発売され、16ヶ国語に訳される。オーディオ版ではヘンリー王子自身が朗読をしている。