人気ドラマ「glee/グリー」のクリエイターであるライアン・マーフィーが、同番組の元キャストであるコーリー・モンテースが2013年に亡くなった際に制作した追悼エピソードの裏話を話した。
ライアン・マーフィーは「glee」のティナ役を演じたジェナ・アウシュコウィッツとアーティ役を演じたケヴィン・マクヘイルのポッドキャスト番組「And That’s What You REALLY Missed」にゲストとして出演。そこで、「glee」にフィン役で出演し、2013年に薬物の過剰摂取で死去したコーリー・モンテース(享年31)の話題となった。
コーリーの死後、同ドラマでは追悼エピソード「The Quarterback」(シーズン5第3話「大好きだったフィンへ」)を放送。キャラクターたちがフィン(コーリー)を「歌」で追悼すると共にあまりにも早すぎる死を嘆き悲しむ、涙なしでは見られない内容であった。
ライアンは「この追悼エピソードはあまりにも生々しく、あまりにも(死から)早すぎた」という。さらに「コーリーが亡くなった後、撮影現場から喜びにあふれた精神はなくなってしまった」と語った。
しかし「glee」の制作チームは、番組を継続する決断をし、「The Quarterback」のエピソード収録をコーリーの死からわずか1か月後に開始。撮影現場にはカウンセラーが在中していたというが、だれもカウンセラーを頼ることはなかったのだとか。
ジェナ・アウシュコウィッツとケヴィン・マクヘイルもこの追悼エピソードに出演したが、その際撮影に参加するかどうかの決定権は俳優たちにあったことを明かした。しかし2人とも「共演者に敬意を払うためだけでなく、『No』というキャストになりたくなかったので、参加しなければならないような気がした」と当時の心境を話している。
ジェナは「私たち全員が窮地(きゅうち)に追い込まれたような感じだった。そこには正解も不正解もなかった」と語った。
ライアンはこの追悼エピソードを「一度だけ見ることができた。そしてその後、二度と見ることはなかった」と話し、さらにコーリーの死に関し、ライアンは「今だったら違う形で取り扱っていただろう」と語った。
彼は「もしもう一度(「glee」を)やるとしたら、コーリーの死後、長い間中断して、おそらく継続しなかっただろう。もし今あんなことが起こったとしたら、“これで終わり”だと思うだろう。だって、あんなことから立ち直るのは無理だから」と、コーリーを失った悲しみを告白した。