SNS大手Facebookなどを運用するアメリカのメタ社は11月9日(水)、従業員11,000人を削減し、大規模な人員整理を行うことを発表した。
最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグがこの決断をした背景には、さまざまな理由があったようだ。
第一に、新型コロナウイルスの感染拡大による収益増加の見込みをあやまっていたことだ。
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初、外出が制限されたことで、人々はその生活を電子商取引にしたり、ビデオ通話やオンラインゲームに頼らざるをえなくなった。同社はこの変化が規制が解除されたあとも続くものと考え、収益が増加したことをきっかけに多額の投資をおこなっていた。
しかしその後、業績は右肩下がりに。ロックダウンが解除され人々が対面での活動を再開すると、同社の収益は縮小してしまったのだ。結果として、財務的なリスクにつながることとなってしまった。
第二に、ヨーロッパ諸国のゼロ金利政策終了だ。これにより投資家は、将来的な成長よりも目先の利益を優先させ始めた。幅広い「マクロ経済の悪化」は、すべてのハイテク企業株に大きな打撃を与えた。
さらに「競争の激化」も大きな要因の1つとなった。
マーク・ザッカーバーグは具体的なライバル社名をあげたわけではなかったが、現在若者を中心に絶大な人気をほこるTikTokや、Appleの方針転換に言及していたのは明らかだった。
Apple社は2021年、Facebook社がiPhoneユーザーの行動について収集できるデータ量を制限。これにより、中小企業から広告収益を得ることがむずかしくなった。
また、メタバース事業への巨額投資も大きく影響したと見られている。
メタ社がここまでの大規模な人員整理を行うのはこれが初めてであり、ザッカーバーグ自身も「影響を受けたみなさまに対し、心から申し訳なく思う」と述べている。
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