元議員、そして元有名ゴスペルシンガーのフロルデリス・ドス・サントス・デ・ソウザが、2019年に夫アンデルソン・ド・カルモ・デ・ソウザ氏の殺害を命じた容疑で起訴されていたが、今回有罪判決を受け50年の実刑が科されたことがわかった。
フロルデリスはもともとゴスペル歌手として人気となり、2018年にブラジルの下院選にリオ州の候補として出馬。同州の女性候補としては最多の票数を獲得して当選した。
また彼女は夫で牧師のアンデルソンと共に福音主義協会を築き、55人の子供を持つ大家族としても有名だった。2人の子供の大半は養子であるが、その中には実子もいる。
2019年6月16日、フロルデリスの夫アンデルソンがリオ州ニテロイ市の自宅で射殺された。その二日後に、夫婦にとって養子のルーカス・ドス・サントス・ド・カルモ容疑者(当時18歳)が逮捕された。だが、殺害にいたった原因がアンデルソン氏の不倫だったことなどや、実子らも共犯であることが判明したことで、「母のフロルデリスが殺害命令を出したのでは」などと怪しまれるように。フロルデリスはその後、夫の殺害命令を出した容疑で逮捕、起訴されていた。
今回The Guardian誌によると、フロルデリスは夫の殺害を命じた罪で有罪となり懲役50年と28日の判決を受けた。裁判所は「フロルデリスは被害者(夫のアンデルソン)が家計を厳しく管理し、家族のメンバーに不利益を与えるなどしたため、殺害命令を出した」と決定づけたという。
またフローデリスの共同被告である、娘のシモーネ・ロドリゲスもアンデルソンの殺人未遂に関与したとして31年4か月と20日の判決を受けた。
昨年には、アンデルソンが殺された際に銃の引き金を引いた実の息子のフラビオは、懲役33年の判決を受けたと報じられた。さらに養子のルーカスは凶器の購入を手伝った罪で7年の刑を受けたが、警察と協力をしたため減刑された。
そのほかにも今年初め、1人の実子と3人の養子を含む4人が実刑判決を受けたことがニュースとなった。宗教、著名人、政治が入り混じったこの巨大なスキャンダルは世界中で大きな話題となった。
今回、事件の“黒幕”ともいえるフロルデリスが、ついに裁きを受けたようだ。