「2代目スティーヴ・ジョブズ」としてかつて注目をあつめた女性起業家エリザベス・ホームズに、禁固11年の実刑判決がくだされた。
エリザベス・ホームズは今年1月、詐欺罪で有罪判決を受けた。ホームズは自らが2003年に立ち上げた血液検査のベンチャー企業「セラノス」において、指先から採取したわずか1滴の血液から、さまざまな病気を発見できると主張した。
多くの投資家から巨額の資金をつのり、当時は医療技術革新の象徴とされ、Apple社創業者のスティーヴ・ジョブズをほうふつとさせる黒いタートルネックを身にまとい、ひんぱんにメディアに登場していた。
ところが2015年、ウォール・ストリート・ジャーナルの調査で、セラノスが行っていた数百件の検査の内、独自の装置を用いて行っていたのはわずか数十件で、その正確性も疑問視されていたことが発覚。さらに第三者機関の血液検査装置を利用していたことも明らかになり、同社の信頼性が一気に失われた。
ホームズは同社のこのような状態を把握していながら、投資家をだまし続けたとして逮捕された。
そして11月18日(金)カリフォルニア連邦地裁のエドワード・ダヴィラ判事は、彼女に対し11年3カ月の禁固刑、出所後3年間の保護観察、さらに400ドル(約56000円)の罰金を命じた。賠償金については後日設定される予定となっている。
なお、判決を前に、ホームズは法廷にて「私はセラノスを愛していました。私のライフワークだったのです」と涙ながらに訴え、「本当に、本当に申し訳ありませんでした。私は会社を立て直すため、会社を救うためにすべてをささげていました。自分の失敗を、心の底から悔やんでいます」と従業員、投資家、そして治験者に対して謝罪した。
ホームズは今回の判決を不服とし、控訴する見込みだ。
tvgrooveをフォロー!