王室で新たに人種差別問題が発覚し、ベテラン側近が辞職した件について、ウィリアム皇太子とキャサリン妃の代理人がコメントを出した。
ことの発端は、DV被害者の支援団体「シスター・スペース」のCEOであるヌゴジ・フラニ(Ngozi Fulani)氏がバッキンガム宮殿で開かれたレセプションに出席した際に起きたことだ。カリブ系アフリカ人のルーツを持つヌゴジさんは、王室のベテラン側近であるスーザン・ハッシー夫人に「どこの出身なの?」と聞かれ、「イギリス生まれのイギリス育ちです」と答えたが、何度も「あなたたちの種族はどこから来たの?」などとしつこくルーツを問いただしてきた。
この会話の内容をヌゴジさんがツイッターに投稿すると、たちまち注目を浴び、王室での人種差別問題が浮上。これを受け、長年エリザベス女王や王室に仕えたスーザン・ハッシー夫人は辞職をしたと発表された。
そして11月30日、ウィリアム皇太子とキャサリン妃側も声明を発表。「ゲストがこのような経験をしたと聞き、とても失望しています。この社会において、人種差別の居場所はない。このようなコメント(スーザン・ハッシー夫人の発言)は受け入れがたく、彼女が即座に身を引いたことは正しいことです」と、ハッシー夫人の発言を非難した。
スーザン・ハッシー夫人は長年にわたり故エリザベス女王の侍女を務め、親しい友人でもあったといわれている。またウィリアム皇太子にとってはゴッドマザー(洗礼式の証人)の一人でもあった、重要人物だ。
ハッシー夫人のこの発言を受け、王室は「私たちはこの事件を極めて深刻に受け止め、全容を解明するために直ちに調査を行いました。今回の件では、容認できない、深く遺憾なコメントがなされました。私たちはこの件に関してヌゴジ・フラニ氏に連絡を取り、彼女が望むなら、彼女が体験したすべてについて話し合いましょうとオファーをしました」とコメントし、ハッシー夫人が辞職したことを発表した。