28歳の若さで、これまでにグラミー賞を5度受賞し、来年の第65回グラミー賞にもノミネートされている、天才アーティスト ジェイコブ・コリアー。ロンドンの音楽一家に生まれ、2011年からYouTubeに動画を配信し、そのマルチな才能と、1人で多重奏をこなす音楽が世界中で話題となる。ジャズの巨匠であり、故マイケル・ジャクソンのプロデューサーとしても名高いクインシー・ジョーンズに見い出され、2016年にデビュー。先日リリースした新曲、「Never Gonna Be Alone (feat. リジー・マカルパイン&ジョン・メイヤー)」もヒット中!
今回、日本公演のために来日を果たしたジェイコブに、11月25日、tvgrooveが単独インタビューを敢行! ジョン・メイヤーとのコラボの経緯や、グラミー賞の受賞について、そして日本限定でリリースしたアルバム『Piano Ballads』の聞きどころを、たっぷりと語ってもらった。
物心がつく前から作曲!? 音楽一家に生まれた天才アーティスト! ジャズ? ファンク? クラシック? R&B? 彼のジャンルレスな音楽を一言で表すと?
Q:日本にようこそいらっしゃいました! 3年ぶりの来日だそうですが、何か美味しいものは食べられましたか?
うん。少し食べたんだけど・・・まだお寿司が食べ足りないね(笑)
Q:過去数年のコロナ禍ではどのように過ごされていましたか? 思うように活動ができなくてフラストレーションがたまることなどなかったですか?
僕にとっては…クリエイティビティを広げる機会になったかな。コロナ前は4年ほどワールドツアーをやっていたのに,コロナの流行でそれが延期になって。まぁ、今はこの通りワールドツアーを再開してるけどね。だけど、その間に、僕はデジタルメディアを使って、自分を表現するアイディアを得たような感覚かな。そこで新しいチャレンジにも挑戦することができたから、逆に良かったというか、感謝してるくらいなんだ。僕にとって、いや、世界中の全ての人にとって大変で、奇妙な、先のわからない期間にはなったけど、僕は色んなことが試せたよ。そしてまた日本に戻ってこれた。
Q:少し過去にさかのぼってお話を聞かせてください。ジェイコブさんは、お母様やおじい様も音楽家だそうですが、やはり小さい頃から、音楽は身近にあったのでしょうか?
イエス。「イエス」の一言だね(笑)。本当に子どもの頃から常に色んな楽器があって、常に音楽の話をしていて。だから音楽に対してオープン・マインドな少年だったと思う。音楽という世界で学んで色んなことを自分の中にインプットして、音楽をアウトプットするというのを子どものことからやっていたね。家族の中で音楽がメインになっていたよ。
Q:ジェイコブさん自身は、何歳くらいから音楽をしていたんですか?
わからないな・・・。物心がつく前から、それこそ言葉を話し始める前から音楽を作ってたんだと思う。もちろん作ってる意識は自分ではなかったけど。
Q:ジェイコブさんの音楽は、ジャズやクラシック、ファンク、ポップ、R&Bなど、複数のジャンルがミックスされていてとても不思議な世界観です。ジェイコブさんの音楽を一言で表すと、何でしょうか?
まさにジャンルを超えたというか、曲げたという言い方が正しいんじゃないかな? 昔からリスナー側からしても、ジャンルには“恐怖”を感じなかった…恐怖っていうか、どんなジャンルを聞くのも平気だったし。自分が聞く分にも、それ(音楽)を出す分にも、平気だったっていうか…1つのジャンルにとらわれてしまうのって、意味のないことなんじゃないかな? やれることは限りがないし。音楽を作ることも楽しめばそれで。う~~ん…マルチ・インストゥルメンタル、多次元、みたいに呼んでくれてもいいんじゃない?
たった1人で多重演奏・多重アカペラをこなす、マルチプレイヤーのスタイルはどうやって生まれたの?
Q:2012年にYouTubeで公開した「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」では、アカペラと楽器演奏すべてを1人でこなす衝撃的な内容で当時とても話題になりました。あのようなスタイルのパフォーマンスをしようと思ったきっかけは何だったのですか?
自然と…ちょうどその時、そういう曲を作ってたんだよね。何年も複数の楽器を使ってレコーディングをして、それがそれぞれモザイクの一部となって楽器のパートを動かして。すごくクレイジーで面白い形になっていくっていう実験をしていたので、それをまとめて動画で出してみたら面白いんじゃないかな? と思ってやってみたんだ。
▼Don’t You Worry ‘Bout A Thing – Jacob Collier
Q:あの動画には12種類もの楽器が登場していました! ジェイコブさんはいったい、いくつの楽器を演奏できるんでしょうか?
ええぇ、わかんないよ…数えたことないなぁ(笑)。楽器って、家族みたいなもんじゃない? ギター・ファミリー、ベース・ファミリー、ドラム・ファミリー、キーボード・ファミリー…。それぞれのファミリーにたくさんの種類の楽器があって。例えば、ギターが弾ければマンドリンも弾けるし、バンジョーも、ブズーキもチャランゴ(南米アンデス地方周辺の民族音楽)も…エレクトリックギターやクラシックギターはもちろん…そう考えると色んな楽器が弾けるね。
Q:2016年にメジャーデビューをし、2017年には初めてグラミー賞を2つ受賞されるなど大きな飛躍をされました。あのような形で世間に評価されたことは驚きましたか?
イエス、もちろんイエスだよ。めちゃくちゃビックリしたね。でもそれで、やりたいことをやるパワーを感じたよ。人間って、育つ過程や音楽を学ぶ上で「こうやり方でやりなさい」って方法を教えられるもんじゃない? でも自分は自分のやり方でやることが、ベストな方法だと思う。
Q:またブレイクする前と後で、大きく変わったことはありますか?
僕の場合…多くのアーティストみたいに何かヒット曲が1つあって突然バーンとブレイクしたっていうよりは、徐々にカーブを上に曲がってきたようなブレイクだったから、そんなに大きく変わったことはないかな。もちろん、10年前とは随分と状況は変わったけどね。世界中をツアーで回って、たくさんの人が公演を見に来てくれて、何百万人ものファンがいてくれて。でも、10年前やっていたことと変わらず、僕はただ音楽を作ることに喜びを感じて挑戦し続けているんだよ。
ダメもとでオファーしたジョン・メイヤーからまさかのイエス!?
Q:今年6月にリリースされたシングル「Never Gonna Be Alone(feat. リジー・マカルパイン&ジョン・メイヤー)」」について教えてください。まだ聞いたことのない人のため、こちらはどんなコンセプトの曲になっていますか?
あれは、ロックダウン中に自分1人で曲を書いていて、途中で、僕の友人であるリジー・マカルパインに声をかけて一緒にやることにしたんだ。あの頃って、ロックダウン中だったから世界中の人が、自分も含めてAlone(孤独)だった。だけど1人きりだけど、皆が皆、1人きりだった。そう考えたら孤独じゃないっていうか…逆につながりが強まった気がしたんだ。そんな気持ちを歌った曲だよ。恋しい人のことを思い出してくれたらいいなって。心が穏やかになるような曲なんだ。
Q:ジョンとのコラボはどのような経緯で実現したのですか?
曲を書き終えた後に、このミドルの部分でギターソロがあればいいなぁって思って。リジーと冗談半分で、ジョン・メイヤーなんかが弾いてくれたら最高だよね、って言ってたんだ。それで試しにジョンにDMしたら、なんと「いいよ」って返事が返ってきて、それでソロを弾いてくれることになったんだ!
▼lizzy mcalpine w/ guests john mayer and jacob collier singing their song “never gonna be alone” !!!!
日本限定アルバム『Piano Ballads』の聞き所は? オーディエンス参加型のユニークなパフォーマンスに注目
Q:今回、日本限定でリリースされるアルバム『Piano Ballads』の聞き所を教えてください。
それぞれの曲が僕にとって特別な曲だから、選ぶのは難しいんだけど…例えば「All At Sea」がお気に入りかな。この曲はタイトルのSeaと同じように、オーディエンスの曲が海のように感じられるんだよ。しかも、これは計画的にやったわけじゃなくて、偶発的に生まれた曲だったんだ。だからあの曲が好きかな、もちろんどの曲も好きだけどね。強いて言うなら、オーディエンスの声がこのアルバムには非常に重要なんだ。
Q:そしていよいよ、11月27日から日本での公演が始まりますね! 今回の公演の見どころを教えてください。
公演では生きること、音楽の喜びが満ち溢れたライブになると思うよ。僕を含めて6人のミュージシャンがステージの上に上がるんだけど、演奏する楽器は100近いんだよ! とにかく僕としても、このツアーを日本に持ってこれてうれしいし、ずっと楽しみにしていたからね。オーディエンスの皆さんにも参加してもらう部分もあるからね、面白いものになると思うよ。
Q:最後に日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。
日本は僕にとって特別で大好きな国で、来日を楽しみにしていたんだ。今回、日本で公演することができるのが本当にうれしい。文化も人々の思いやりの精神もリスペクトしているよ。ファンの皆さん愛してるよ、またすぐに会いましょう!
(インタビュー終わり)
リリース情報
ジェイコブ・コリアー / ピアノ・バラッズ:ライヴ・フロム・ジェシー・ワールド・ツアー 2022
これまでにグラミー賞を5度受賞し、2021年には『ジェシー Vol. 3』でアルバム・オブ・ザ・イヤーにもノミネート。先日リリースした新曲「ネヴァー・ゴナ・ビー・アローン」もヒット中の天才シンガー・ソングライター&マルチ奏者のジェイコブ・コリアー。3年振りとなった本来日公演もソールドアウトとなるなど、日本でも人気の高さを見せている彼が先日配信リリースした初のライヴ・アルバム『ピアノ・バラッズ:ライヴ・フロム・ジェシー・ワールド・ツアー 2022』が日本限定でCD化、11月18日に急遽リリースされた。
今年北米とヨーロッパでワールド・ツアーを敢行したジェイコブ。各公演では、ジェイコブが初めてオーディエンスの前でプレイするカヴァー曲をセレクトし、ピアノ弾き語りで披露された。パフォーマンスの大部分は即興で行われ、しばしばオーディエンス全体がクワイアとなってジェイコブと演奏を創り上げるという、コンサートの感動的なハイライトとなることも多かったという。収録されるのはクイーンの「サムバディ・トゥ・ラヴ」、ABBAの「ダンシング・クイーン」、ザ・ビートルズの「レット・イット・ビー」、ジェームス・テイラーの「思い出のキャロライナ」など、誰もが知っている名曲ばかり。これらのパフォーマンス動画も随時公開予定で、現在はリスボン公演で撮影された「サムバディ・トゥ・ラヴ」のビデオが公開されている。
▼Jacob Collier – Somebody To Love (Live in Lisbon)
今回のリリースについて、ジェイコブは「物心ついたときから、ピアノの前に座って即興で演奏することに、大きな安らぎと喜びを感じてきたんだ。そしてそのフォーマットにフォーカスしたアルバムを出せると良いなと長い間夢見てきた。今年、僕はツアーで毎晩違う曲を即興で演奏するというチャレンジをやっていたんだ。もちろん、会場の素晴らしい音楽ファンの助けを借りてね。この11曲は、僕のお気に入りのポストカードのひとつのようなもので、みんなとシェアできることがとてもうれしいよ!」と語っている。
収録曲
CD1
1. エヴリ・タイム・ウィー・セイ・グッドバイ (ライヴ・イン・ロサンゼルス)
Every Time We Say Goodbye – Live in Los Angeles
2. ハウ・ディープ・イズ・ユア・ラヴ (ライヴ・イン・フォート・ローダーデイル)
How Deep Is Your Love – Live in Fort Lauderdale
3. オール・アット・シー (ライヴ・イン・ケンブリッジ)
All At Sea – Live in Cambridge
4. ダンシング・クイーン feat. アリタ・モーゼス (ライヴ・イン・ストックホルム)
Dancing Queen (feat. Alita Moses) – Live in Stockholm
5. 思い出のキャロライナ (ライヴ・イン・シャーロット)
Carolina In My Mind – Live in Charlotte
6. テネシー・ワルツ feat. スティアン・カルステンセン (ライヴ・イン・オスロ)
Tennessee Waltz (feat. Stian Carstensen) – Live in Oslo
CD2
1. 君の瞳に恋してる (ライヴ・イン・ロンドン)
Can’t Take My Eyes Off You – Live in London
2. 好きにならずにいられない (ライヴ・イン・リスボン)
Can’t Help Falling In Love With You – Live in Lisbon
3. カレドニア (ライヴ・イン・グラスゴー)
Caledonia – Live in Glasgow
4. サムバディ・トゥ・ラヴ (ライヴ・イン・リスボン)
Somebody To Love – Live in Lisbon
5. レット・イット・ビー (ライヴ・イン・コロンバス)
Let It Be – Live in Columbus
ジェイコブ・コリアー (Jacob Collier) プロフィール
ロンドンの音楽一家に生まれる。
2011年から多重録音のアカペラと楽器演奏による動画を自宅のベッドルームからYouTubeで配信し何百万ヴューを獲得するなど世界中で話題となる。それがクインシー・ジョーンズの目に留まり2016年にデビューを果たし、2017年にはグラミー賞を2部門で獲得。一躍スターとなったジェイコブはその後ハービー・ハンコック、ハンス・ジマーなどとのコラボレーションを実現し、ファレルとも共演を果たした。2021年にはアルバム『ジェシー Vol. 3』で、グラミー賞の主要部門であるアルバム・オブ・ザ・イヤーにもノミネート。大きな話題を呼んだ。
様々な楽器を操るシンガー、作曲家、アレンジャー、プロデューサーとして、これまでに5度のグラミー賞に輝いている天才マルチ・ミュージシャン。
彼が何をやってもそれは私の心を強く揺さぶるんだ。信じられないよ。初めて会った時はとても驚いたね。
―クインシー・ジョーンズ
彼が僕らの音楽を良いものに出来ることをみんな知っている。彼はなんだって出来るんだ。
―クリス・マーティン (コールドプレイ)
私は自分がハーモニーに長けていると思っていた。だが彼は私のさらに上をいっているんだ!
―ハービー・ハンコック
私のヒーローたちは皆、私に会うためではなく、ジェイコブに会うために私のスタジオを訪れているのです。
―ハンス・ジマー
ジェイコブ・コリアー各種リンク
ユニバーサル・ミュージック:https://www.universal-music.co.jp/jacob-collier/
本国公式サイト:https://www.jacobcollier.com/
Twitter:https://twitter.com/jacobcollier
Facebook: https://www.facebook.com/JCollierMusic/
Instagram: https://www.instagram.com/jacobcollier/
YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/user/jacobcolliermusic/featured
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