アメリカ・ペンシルベニア州出身のシンガー・ソングライターのデイヤ(Daya)に、tvgrooveとしては3度目となるインタビューを実施した。
デイヤは2015年に「Hide Away」でデビュー。同曲は「Billboard Hot 100」チャートでトップ30入りを果たすことに。さらに2016年、人気DJデュオ ザ・チェインスモーカーズ「Donʼt Let Me Down feat. Daya」にフィーチャリング・ヴォーカルとして参加し、全米シングル・チャート最高3位を記録、また第59回グラミー賞では、「Best Dance Recording」部門を受賞する快挙を成し遂げた。
【動画】The Chainsmokers – Don’t Let Me Down (Official Video) ft. Daya
2017年には、日本の音楽フェス「サマーソニック」に出演。同年にはアメリカの大人気フェス「コーチェラ」にも出演を果たし、オーディエンスを魅了した。
今回は特別に、日本の人気ガールズ・ユニット「FAKY」のTakiを迎え、対談形式でインタビューをおこない、お互いの音楽への想いや、Z世代の悩み、そして今年一番思い出に残っている出来事など、たっぷりと語ってもらった。
ーー今回お二人は会うのは初めてですか?
デイヤ&Taki:そうなの!
ーーお互いの印象はいかがでしょうか?お互いのことを前から知っていましたか?
デイヤ:もちろん知ってるし、ガールズ・グループでいて、音楽も聞いてすばらしいと思ったし、今こうして初めて会えてうれしい!
Taki:じつは結構よく知っていているの!デイヤの音楽も大好きだし、TikTokを見ててTikTokの感じはちょっとラフだけど、ステージではまったく違うアーティスト像になっている。TikTokでのデイヤはすごく素の自分をありのままに出していて、こういう時代でそういうアーティストはなかなかいないから、そういう部分もすごく好き!
デイヤ:そう言ってくれてうれしい!
【動画】Daya – Love You When You’re Gone (Official Video)
お互いZ世代!SNS社会で生きるのは結構むずかしい・・?
ーーたしかに、自分らしく発信していくって良いことですよね。デイヤさんは1998年生まれで、Takiさんは2000年生まれと、世代が一緒ですよね。Z世代として世の中を生きる難しさとか、感じることがあったりするのでしょうか?
Taki:まずどこから始めたらいいかな(笑)。すごいいっぱいあるよね。やっぱり育った環境と仕事してる環境が文化的に違うから、もしかしたら感じることが違うかもしれない。私はフランスのパリとフィリピンで育って、そういう意味では色んな文化を吸収してるところがあると思う。
Z世代として成長する中で、やっぱりSNSが大きく関わってきてると思う。友達とただ出かけただけなのにタグ付けされたり、ちょっとワインを軽く飲んだだけなのに、それが大きな問題になっちゃったりとか、誰とデートしてるとか…。そういうことがいちいち反応されてしまって、プライバシーを感じられないところがあるの。
デイヤ:それは本当に同感で、私も一緒!自分のプライベートとオンとオフの人生観が全部晒されちゃっていて、どこが境界線かもわからないみたいなところがある。
アーティスティックな面でも、曲作りやツアーに出たりとか、プロモツアーに出たり、そういうこと自体もSNSによってだいぶ変わってきたと思う。6,7年前にデビューした頃からもすでに全然ちがう。その頃はTikTokはまだ流行ってなかったし、インスタグラムも今ほどビッグではなくて、ストーリーズとかリールとかもなかった。そういう形も全部変わってきて、それが見る人に消費されていくように30秒のTikTokを作ったりとか、そういうのが全然違うかな。自分自身の行動だったり、仕事する方向性っていうのもそれで変わってきているよね。
Taki:たしかにそうだよね。昔だったら、何か事件が起きたら、新聞を読んだり、ニュースウェブサイトに行ってたけど、そんなことじゃなくてもインスタグラムから入ってきたりとか、とにかくいろいろと情報収集の仕方もが変わってきたね。
今回二人は流行りの楽曲とデイヤの楽曲「Love You When You Gone」に合わせてTikTok動画を投稿↓↓
@daya 🫶😚🤌 @TAKI #taki #faky ♬ 可愛くてごめん (feat. かぴ) – HoneyWorks
@taki_faky Fangirl moment with @Daya ♬ Love You When You’re Gone – Daya
ーーお二人はZ世代=SNSの世代っていう感じで、便利な反面、デメリットもあると思うんですけど、お二人はソーシャルメディアのフォロワー数がとても多くて、オンライン上の影響力もとても大きいと思うんですけど、SNSを活用する上で気をつけてることとか、投稿する上でこういうことにこだわってるみたいなことがあったらそれぞれ教えていただけますか?
デイヤ:コメントを読まないことかな。最初の頃はよくないコメントもぜんぶ読んでたの。YouTubeのコメントとかも、たぶん書く人は10秒もかけずにパッと書いて、何もその後は考えずにやってたかもしれないけど、すごいひどいことが書かれたりとかして。
そういうものにいちいち晒されてると、どんどん自分が削られていってしまうから、自分自身を守ることが大事だと思う。そもそもそういうことを書いてる人たちっていうのは、自分のファンの全体像ではないし。誰かもわからないし、本当の私をわかっていない。だから最近では投稿するためにログインして、投稿したらログアウトする。自分を守るためにはそれが一番大事かなって思ってるの。
Taki:最初の頃、SNSを使い始めたときは、「メイクばっちりかな」「衣装がカワイイかな」「この角度はどうかな」っていうのをすごく気をつけてたの。でもデイヤが言ってたように、コメントを残す人っていうのは本当の自分をわかってない人たちが多いから、だったらもっと自分らしいことだけを投稿していこうかなと思って。
私は一日10件か20件ぐらい(インスタグラムの)ストーリーを投稿していて、それはいま何をしてるっていう、自分の生活の一部をみんなとシェアする形を取っているの。インフルエンサー的な仕事もその中に入ってくるわけで、でも自分自身も例えばニキビで悩んでて「これすごく効くからどう?」ってオススメしたりそういうことをしたり。今はもうお母さんとマネージャーさんがオッケーって言えば、もう気にするのはそこだけ。あとは自分らしくしているの!
お互いの音楽性をリスペクト!「言語がちがっても気持ちが伝わってくる」
ーーここからは音楽の話に移りたいと思います。デイヤさんとTakiさんはお互いの楽曲を聞いたことはありますか?もし感想があればそれについて教えてください。
Taki:私は前からデイヤの曲を聴いていて、一曲を一日ループしてずっとに聴いていたこともあるの!年齢が近いからか、デイヤの歌にはすごく共感できて、あと似たような体験を同じような時期にしていたり。デイヤの曲を聞くことによって、その時の気持ちを乗り越えることができたって思う。あと、デイヤの歌詞はすごく正直。自分らしい気持ちをそのまま表してる言葉がすごく好きだし、どの曲も全然テイストが違う。アップテンポもあれば、カワイイもの、心が壊れてしまうような悲しい曲、こんな思いを自分だったらしたくないみたいな曲もあったり、すごく深いし意味もあって、バックストーリーとかもそれぞれ違うから、そういう部分も大好きなの。デイヤは一つのジェンダーにとらわれていない部分もリスペクトしてる。
デイヤ:なんてやさしいの!ありがとう!音楽のすばらしいところは、言語がちがっても、音楽を通して気持ちが伝わってくるというところだよね。本当にそれこそクールなことだなって思う。FAKYの音楽は聴いていて本当に最高だと思うし、美しい楽曲ばっかりで、言葉がわからなくても感情が掻き立てられる。伝わってくるエネルギーも大好きなの!
ーーいつか二人でコラボが実現したらステキですよね。
デイヤ:ぜひやりたい!
Taki:いつでもウェルカム!実現したら最高!次回やっちゃってもいいかもね(笑)!
デイヤ:ガールズ・グループに入るのは夢だったの!
ーーたしかにデイヤさんがFAKYに仲間入りするカタチもおもしろそうですよね。
デイヤ:それ最高!
【動画】Daya – Sit Still, Look Pretty
【動画】FAKY / Rock, Paper, Scissors (テレビ朝日系金曜ナイトドラマ「最初はパー」OPテーマ)
今年一番思い出に残っている出来事は・・?
ーー続いては、もう2022年も12月で終わるということで、「今年を振り返る」質問をしていきたいと思います。お二人が今年一番思い出に残っている出来事をそれぞれ教えていただいていいですか?
デイヤ:2022年がもう終わるなんてクレイジーだね・・(笑)。本当にいろんなことがあったの。たぶん、キャリアとか仕事云々じゃなくて、人間的にすごく成長した年だと思う。特にいま、曲づくりをしていて、曲の出来ばえだったり、一緒に仕事している人たちとのコラボ感にすごくワクワクしている時なの。さらに、クリエイティブな面において自分で主導権を握れるようになったというのも、大きな違いだと思う。だから9月に出たEP「In Between Dreams」をすごく誇りに思っている。ライブもやったけど、本当に今年の自分にとって一番大きいのはやっぱり人間としての成長かな。
Taki:FAKYとしては今年、思い出に残る場面はすごく多かったの。特にライブに関してはオンラインじゃないリアルなショーをできたっていうことと、そして初めてのフルアルバムをリリースすることができた。数年前にリリースするはずだったんだけど、コロナが起きてしまって、自分たちの中ではまだちょっと準備期間がほしいかなってなって、ようやく自分たちが「この時!」だって思える時にリリースすることができたの。
あと、スペインのバルセロナでライブすることができて、海外に出かけるのも3年ぶりだったの。ようやく東京の人たちだけでなく海外の人たちにもFAKYの音楽を披露することができたから、そうやってリアルでファンのみんなにお会いすることもできて、ようやく通常の生活が戻ってきたかなっていう気持ちが大きい。
今年一番印象に残っているパフォーマンス
ーーありがとうございます。今お話にもあったように、またコンサートができるようになったっておっしゃってたんですけど、特に今年一番思い出に残っているパフォーマンスやステージをそれぞれ教えていただけますか?
デイヤ:今年の夏に、ドイツにあるすごく小さな街ヴィースバーデンという場所でライブをしたの。本当にすごくステキな一日で、緑の芝生の上で誰でも見に来ることができるスタイルだったの。今ライブが再開されて、見る側の人たちも新たな気持ちでライブによろこびを感じてるっていうのをすごく感じられる。感謝の気持ちだったり、ワクワク感が前よりも増してる気がしているの。私も同じように、もちろんこれまで感謝の気持ちがなかったということじゃないんだけど、新たに本当にうれしいって心から思えて、全員からそれが発せられてるのを感じることができたの。そういう新しい視点っていうのをまた得ることができたかな。
Taki:私にとっては一つのライブというよりは、何か月もかけておこなった「FAKY IN HOUSE LIVE #five」ね。全5公演で5人のメンバーそれぞれが一つのライブをプロデュースしたの。セットリストからステージのセットそのものから、どういう色を使うかとか、衣装に至るまでね。
そうしたことで5公演まったく違うテイストのライブになったの!そしてこれを通して、メンバーのこともより知ることができたのがとても楽しかった!このメンバーはこういう風に雰囲気を見てるんだとか、こういうことをやりたかったんだっていうのが、それをすることによって理解が深まったの。家族的なライブフィーリングで毎月やるから、ファンの人たちも同じような顔ぞろいで毎回見てて、終わった後もすごい長いDMがやってきて、「これが最高によかった!」とか「先月と全然違った!」といった感想もいっぱいくれたの。
私がプロデュースしたときは、家にある約1メートル30センチのクマのぬいぐるみをステージに連れてきたの!普段のFAKYとしてのライブだったらできないこともできて、これにはみんなも「それカワイイ!お家から連れてきたんだね」みたいな、そういうコメントももらったの!
\🍫Thank you so much🍫/
Takiプロデュース『FAKY IN HOUSE LIVE #five』ありがとうございました🎉
本日のセトリプレイリストはこちら💁♀️https://t.co/WqAD4uPVFg
▼ 7月・8月公演詳細🫶https://t.co/BSfkvEcKBJ
▼ツアー公演詳細👌https://t.co/eBvJeP4op1#FAKY1stAlbum pic.twitter.com/dATj3M2HmX
— FAKY (@FAKYjp) June 18, 2022
今年一番リピートして聴いたのはあの曲!
ーーすごいユーモアのあるコンサートでステキですね!今年もいろんな楽曲を聞いてきたと思うんですけど、ご自身の楽曲でもいいですし、ほかのアーティストの楽曲でも、「一番リピートして聞いたお気に入りの曲」をそれぞれ教えていただけますか?
デイヤ:2022年1年間通してというわけではないんだけど、発売されてからDora Jarの「Spell」をずっと聞き続けてて、ずっと頭の中でリピートしてるの。本当に美しい曲で、メロディも歌詞もすばらしく、天国にいるようなな軽やかな気持ちが曲に含まれているの。
【動画】Dora Jar – Spell (Official Music Video)
ーーどういったスタイルの曲なんですか?
デイヤ:アコースティックで、本当に曲の素のエッセンスだけの曲という感じなの。
ーーなるほど、聴いてみます!Takiさんはいかがですか?
Taki:難しすぎる質問ですね!私は一曲気に入るとずっとそれを永遠に聴くタイプ。その次のお気に入りが出るまでは、ずっとそれを聴くの。でも、何を聴いたらいいかわからない時だったら、理由はわからないけど、なぜかハリー・スタイルズの「As It Was」を聴いているの。いい曲よね!
ーーもともとハリー・スタイルズが好きなのでしょうか?
Taki:はい、ワン・ダイレクションが好き!
【動画】Harry Styles – As It Was (Official Video)
2023年の抱負!
ーー最後に来年の目標をそれぞれ教えていただいていいですか?
Taki:ようやくコロナによる鎖国状態から解消されたから、色々な場所に出かけたい!日本だけじゃなく世界に!自分たちの音楽をみなさんに聴いてほしいな。あとは個人的に、いま4か国語(フランス語、英語、日本語、タガログ語)が喋れるので、もう1か国語喋れるようになりたいね!でもまずは、日本語はひらがなしか読めないので、漢字をもうちょっと読めるようになってから(笑)!
デイヤ:やっぱりアルバムを出して、ツアーしたいな!特に、世界ツアーで日本に来たいなと思っているの!今年もツアーに出るはずだったけど、残念ながらキャンセルしなきゃいけない、止むを得ない事情があって。まずはインターナショナルツアーを決行して、個人的な話でいうと、ギターを弾けるようになりたい!
ーーギターの弾き語りも今後やっていきたいっていう感じですか?
デイヤ:今でもやるんだけど、もうちょっと上達させたいな!
(インタビュー終わり)
リリース情報
デイヤ リリース情報
EP「In Between Dreams」
絶賛配信中!
<「In Between Dreams」ダウンロード&ストリーミングはこちら>
1.Love You When Youʼre Gone
2.New Romantics
3.Her
4.See You In My Dreams
FAKY リリース情報
最新シングル「Rock, Paper, Scissors」
絶賛配信中!
<「Rock, Paper, Scissors」ダウンロード&ストリーミングはこちら>