第74回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞、続く2017年度トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞、さらに主演のフランシス・マクドーマンドに2度目のアカデミー賞主演女優賞をもたらし、その年、映画ファンを最も興奮、震撼させた傑作『スリー・ビルボード』から5年。いまなお演劇界・映画界の最前線に立つ鬼才マーティン・マクドナーの全世界待望の最新作『イニシェリン島の精霊』が1月27日(金)に日本公開。
本作は第79回ヴェネチア国際映画祭においてヴォルピ杯 男優賞【コリン・ファレル】、脚本賞【マーティン・マクドナー】を受賞し、第80回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)をはじめ主要を含む7部門で8ノミネート!ほかにもナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では主演男優賞(コリン・ファレル)をはじめ3部門で受賞、第27回サテライト賞では作品賞(コメディ/ミュージカル部門)を含む8部門でノミネートを果たすなど、アカデミー賞の前哨戦として注目されるポイントを軒並み制覇しており、アカデミー賞最有力候補作品として期待が高まっている。
ブレンダン・グリーソン演じるコルムがコリン・ファレル演じるパードリックへ突然の絶交宣言!まるで恋人に振られたかのような衝撃が走る本編映像が解禁。
アイルランド西岸沖に浮かぶ架空の離島・イニシェリン島で暮らす心優しく気のいい男パードリックと音楽を愛する初老の男コルム、親友同士である2人が仲違いしていくさまを描く本作。パードリックとコルムは毎日午後2時に、島で唯一のパブで一緒に酒を飲み交わすのが日課だ。しかし、ある日突然コルムがパードリックに絶交宣言を言い渡したことで、物語は動き出す。解禁された映像は、パブで鉢合わせても会話を避けようとするコルムをパードリックが追いかけ回す様子からはじまる。「俺が何かしたなら言ってくれ」と早口になりながら懇願するパードリックに対し、冷静沈着なコルムは明確な理由を述べることなく「お前が嫌いになった」とバッサリ。しばらく放心状態となったパードリックは間を開けて「好きだろ?昨日まで好きだった」と問いかけるが、「そうか?」と軽くあしらわれ、「好かれてると…」と悲しげな表情。そのパードリックを置いて、コルムは何も言うことなくその場を後にする。
悲劇的にも見えて、パードリックとコルムの温度差や絶妙な会話のテンポなどから笑いを誘う要素も垣間見える本シーンだが、マクドナー監督は「パードリックはなぜコルムが縁を切りたいのか理解できないので、絶交宣言を受け入れようとしない。恋愛で振られたときの気持ちに似ている。“本当に僕のことが好きだったのか?付き合っていると思っていたのは僕の勘違いだったのか?”という感じだ」「観客がどの人物に共感するか興味がある。振る方のコルムの辛辣な台詞を受け止められるか、それとも心破れるお人好しのパードリックに共鳴するか。」とまさかの恋愛に例えながら解説。パードリックの妹のシボーンを演じたケリー・コンドンも「恋人同士なら誰もが経験のある失恋、拒絶といった感情をうまく演出している。しかも、それを男同士の関係で演じているので、喜劇的な要素もあるわ」とマクドナーらしい巧みな人物造形を評しており、この絶妙な掛け合いの中で2人の関係性がどのようにもつれこんでいくのかますます目が離せない。
才気に満ちたセリフの応酬とともに喜劇と悲劇のはざまを揺れ続け、突然訪れるクライマックスに震撼する、まさに“マクドナー印”の最新作『イニシェリン島の精霊』。気になるゴールデングローブ賞の発表は、1月10日(現地時間)。賞レースの行方とともに引き続き是非ご注目ください!
『イニシェリン島の精霊』
■監督・脚本:マーティン・マクドナー「スリー・ビルボード」
■出演:コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン、ケリー・コンドン、バリー・コーガンほか
■原題:The Banshees of Inisherin
■全米公開:2022年10月21日
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2022年/イギリス・アメリカ・アイルランド
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