昨年公開された映画『エルヴィス』で「キング・オブ・ロックンロール」とも称されるエルヴィス・プレスリーを熱演した俳優のオースティン・バトラー。そもそもエルヴィスを演じるよう彼にすすめたのは、元恋人のヴァネッサ・ハジェンズだったようだ。
【動画】映画『エルヴィス』予告(海外版)
オースティンは最近行われた、米The Hollywood Reporter誌の座談会にて、エルヴィス・プレスリーを演じるに至ったいきさつについて語ったという。
「みんなからいつも、『何年前ぐらいから自分はエルヴィスに似ていると思っていたの?』と聞かれるんだ。そして僕は『エルヴィスにそんなに似ているとは思わないよ』と言うんだ。そんなことは頭をよぎったこともなかった。でもバズ(・ラーマン監督)がこの映画作るって聞く前の月に、“友人”とクリスマスのイルミネーションを見に行ったとき、ラジオからエルヴィスのクリスマス・ソングが流れてきたんだ。それで僕が一緒に歌っていたら、友人が僕を見て、『あなたはエルヴィスを演じなきゃいけない』と言ってきた。僕は『ああ、それは望み薄だよ』と言ったよ」
それから2週間後のある日、ピアノを弾いていたオースティンに対し、同じ“友人”が、「私は真剣よ。どうしたら脚本の権利を得られるか考えてみて」と言ってきたのだとか。映画『エルヴィス』内では、若かりし日のエルヴィスの楽曲すべてを歌っているオースティンだが、当時は友人たちのために歌ったりすることはなかったのだとか。
【動画】映画『エルヴィス』特別映像(リハーサル編)
そんなオースティンに運命とも言える報せが届く。なんと、エージェントから「バズ・ラーマンがエルヴィスの映画を作るらしいね」との電話がかかってきたという。そのときの心境について、オースティンは“腕の毛が立つ”ほどびっくりしたといい、「わかった。それはエベレストだ。十分にできるかどうかはわからないけれど、全力投球しないと」と思い立ったという。
その後、オースティンはエルヴィス役を勝ち取るために、動作指導のコーチや歌のコーチ、方言のコーチを雇うなどして、役作りに没頭。エルヴィスのパフォーマンスを再現すべく約3年の月日を費やした結果、アンセル・エルゴートや、マイルズ・テラー、ハリー・スタイルズといった強力なキャスト候補を押しのけ、見事エルヴィス役を獲得した。
ファンはというと、オースティンにエルヴィス役をすすめた“友人”は元恋人であるヴァネッサ・ハジェンズだと考えているようだ。
オースティンがエルヴィス役に起用されたと報じられた直後、ヴァネッサはトーク番組「Live with Kelly and Ryan」に出演。当時、オースティンとまだ交際中だったヴァネッサは彼が今回話した内容と非常に似ているエピソードを披露していたのだ。
【動画】トーク番組に出演したヴァネッサ・ハジェンズ(2019年)
「とってもクレイジーよ。だって去年の12月、私たちは一緒にドライブに行って、クリスマス音楽を聴いていたの。それからエルヴィス・プレスリーのクリスマス・ソングが流れてきた。彼はちょうど髪を黒に染めたばかりで…彼のブロンドヘアは天然なんだけれど…そして彼を見てみたら、彼が一緒に歌っていて、『ベイビー、あなたエルヴィスを演じる必要がある』って言ったの。『方法はわからないけれど、真剣よ。あなたは彼を演じないと』って」
映画『エルヴィス』での演技が高く評価され、先日行われた「第80回ゴールデン・グローブ賞授賞式」では見事、ドラマ部門 主演男優賞(映画)を受賞したオースティン。ヴァネッサの名前こそ出さなかったオースティンだが、心の中では彼女に感謝していることだろう。