TikTokでは、運営スタッフがある方法を使って「手動で」特定の動画をバズらせることが可能であることがわかった。
経済誌フォーブスが報じたところによると、TikTok側はプラットフォームでの体験を促進することを目的とし、「ヒーティング（熱する）」というボタンを使って、TikTok内の有名人や新進気鋭のクリエイターの動画を意図的に盛り上げることができるという。
これはフォーブス誌が入手した内部資料に記載されているもの。
実際に「ヒーティング・ボタン」を使用できるのはTikTokの中国系親会社「バイトダンス」の現・元社員6名とアメリカ国内の従業員の一部だという。
TikTok and ByteDance employees regularly engage in “heating,” a manual push that ensures specific videos “achieve a certain number of video views,” according to sources and documents reviewed by Forbes.@ebakerwhite breaks down what you need to know. https://t.co/wGFcWS6mXe pic.twitter.com/rsYsEf4ZPN
— Forbes (@Forbes) January 20, 2023
TikTokはこれまで、アルゴリズムを使い、各ユーザーの興味に応じてその人に合ったフィードを表示していると主張してきた。
しかし、手動でフィードを操作できるとなれば、この主張とは矛盾することになる。
これについてTikTok広報担当者は、「我々はコンテンツ体験の多様化を図り、有名人や新進気鋭のクリエイターをTikTokコミュニティに紹介するため、一部の動画をプロモーションとして利用している」と説明した。
一方、このように人為的にフィードを操作する方法は「一般的」だと指摘する人物もいる。
デジタルマーケティングの専門家ブレント・スートラスによると、このような裏側での操作はよくあることだというが、ネガティブな結果に終わることもめずらしくないという。
「スタッフの操作を利用し、特定の『パワーユーザー』に影響力を持たせたり、強制的にコンテンツをフィードに表示することは珍しくない」と述べたブレント・スートラスは、「TikTokはこのような方法がユーザーからの信頼に影響を与えるということをムシしているように思われる」と続けた。
そのうえでスートラスは、「SNSであれ検索エンジンであれ、運営側が表示の仕方を操作しているとなれば、ユーザーから強い反発が見られることはまちがいないだろう」と付け加えている。
