人気歌手サム・スミスの新曲「I’m Not Here to Make Friends」のMVが、LGBTQコミュニティを含む人々の間で物議をかもしている。
サム・スミスは1月27日にリリースした最新アルバム「Gloria/グロリア」より、収録曲「I’m Not Here to Make Friends」のミュージック・ビデオを公開。「私は友達を作りに来たんじゃない、私が求めるのは恋人」というディーバな歌詞が印象的なこの曲は、MVではサムがド派手なピンクのローブや、その他さまざまな衣装を身にまとい、舞踏会でディーバと化す姿やダンスを披露。サムが今までの人生の中で最も自信を持ち、クリエイティビティを発揮している姿が楽しめるものとなっている。
【動画】サム・スミス「I’m Not Here to Make Friends」
このMVではダンサーと共にコルセットやニップル・パスティ(乳首をカバーするもの)など、セクシーな衣装も身に着けているサム。さらに下着姿のダンサーがベッドで親密そうにしている姿も映っている。
しかしJust Jaredによると、このMVに関してLGBTQ+コミュニティのメンバーを含む、複数のグループから問題視の声があがっているという。
LGBTQ+コミュニティにおけるファットフォビック(太っている人への嫌悪を示す人)なコメント
サムはこのビデオで、コルセットをつけていることにより、LGBTQ+コミュニティに属する人からファットフォビック的批判を受けているという。とあるツイートでは「ファットフォビックのゲイたちはサム・スミスをいじめ続けるだろうけど、(MVで)右側にいる筋肉質のゲイが同じコルセットを着たらキャーキャー言うんだろう」と書いており、バズっている。
またゲイのファンの中には「サムがコルセットを着るのは問題ないけど、単に似合ってない」という人も。「太っていてもやせていても似合わないことはある。このMVのスタイリングは客観的に見てダメ」と批判した。
ハリー・スタイルズとの比較
ジェンダーレスなファッションでしばしば称賛を浴びるハリー・スタイルズとの比較も多くされている。ツイッターでとあるユーザーは「(LGBTQ+ではないとされる)ハリー・スタイルズが女性らしさを表現し、MVでドレスを着ても称賛されるのに、サム・スミスはノンバイナリーで、同じことをしてもディスられる」と、サムを擁護している。
harry styles, a straight man shows femininity and wears dresses in videos and gets praised for it, sam smith a non binary person does the same and is misgendered and shamed. social media makes me sick
— ً (@keaaaaley) January 29, 2023
またこの他にも、「サムのビデオは子供が見るには不適切。YouTubeで公開すべきじゃない」などといった声もあがっている。
一方で、サムを擁護する声ももちろん多数ある。
ファンは「サムは最もクリエイティブで本物の作品を作っている。それを見て気分が悪くなる人は、自分が何か(サムに)傷つけられたかと考えるべき。サムはアーティストとして人として、自分のことを言っているだけだから」や「本音で話そう。サムはトランスグレッシブ・アート(基本的な道徳や感性を怒らせたり、それらに反することを目的とした芸術)でセクシーなビデオを制作したけど、同性愛嫌悪、クィア嫌悪、トランスジェンダー嫌悪な人たちのせいで批判されている。シス(性自認と生まれ持った性別が一致している人のこと)の男性が女性嫌悪(女性をビッチと呼ぶ)とか、シスの女性がMVでセクシーな女性らしさを存分に見せていることに関しては批判されないのに。偽善だよ」といった声をあげている。
Let’s be real, Sam Smith is criticised for producing a transgressive, sexualised music video due to homophobia, queerphobia & transphobia. Where’s the criticism of cis men’s misogyny (calling women bitches) or cis women performing sexualised femininity in music videos? Hypocrisy.
— Dr Charlotte Proudman (@DrProudman) January 30, 2023
さまざまな意見が寄せられているサムの新曲「I’m Not Here to Make Friends」。注目度が高いサム・スミスならではの現象ともいえる。
そんなサムは日本時間2月6日に開催される「第65回グラミー賞」に「Unholy feat. キム・ペトラス」が“最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)”にノミネートされており、当日現地でパフォーマンスをする予定だ。
【動画】Sam Smith, Kim Petras – Unholy (Official Music Video)
■アルバム情報
2023年1月27日リリース
ニュー・アルバム『グロリア』 [SHM-CD]
品番:UICW-10031
価格:¥2,600(税抜) / ¥2,860(税込)
仕様:SHM-CD
日本盤ボーナス・トラック2曲収録
解説・歌詞・対訳 付
<トラック・リスト>
Love Me More / ラヴ・ミー・モア
No God / ノー・ゴッド
Hurting Interlude / ハーテイング・インターリュード
Lose You / ルーズ・ユー
Perfect (feat. Jessie Reyez) / パーフェクト feat. ジェシー・レイエズ
Unholy (feat. Kim Petras) / アンホーリー feat. キム・ペトラス
How To Cry / ハウ・トゥ・クライ
Six Shots / シックス・ショッツ
Gimme (feat. Koffee & Jessie Reyez) / ギミ― feat. コフィ― & ジェシー・レイエズ
Dorothy’s Interlude / ドロシーズ・インターリュード
I’m Not Here To Make Friends / アイム・ノット・ヒア・トゥ・メイク・フレンズ
Gloria / グロリア
Who We Love (feat. Ed Sheeran) / フー・ウィー・ラヴ feat. エド・シーラン
Heavenly Sent / ヘヴンリー・セント *日本盤ボーナス・トラック
Kissing You / キッシング・ユー *日本盤ボーナス・トラック
※ボーナス・トラックも新曲
視聴・購入はこちら:https://SamSmith.lnk.to/GloriaMB