トム・クルーズが吸血鬼役に起用された背景には、監督による強い思いがあったようだ。
1994年に公開されたホラー・ファンタジー映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』。主演のトム・クルーズはこの作品で、永遠の命を持った吸血鬼レスタト・デ・リオンコートを演じた。
Tom Cruise as Lestat, behind the scenes Interview with the Vampire: The Vampire Chronicles (1994). An extremely controversial casting choice, placed Cruise in the firing line of Anne Rice, the novels author. After seeing the finished movie Rice agreed that Cruise became Lestat. pic.twitter.com/Vgoq7Ymnvp
— Famous Monsters (@FamousMonsters) February 13, 2023
じつは当初、当時『トップガン』などのヒット作に数多く出演し、すでに世界的スターとなっていたトムの起用について、原作者のアン・ライスをはじめ多方面から反発の声があがっていたという。
しかし、監督のニール・ジョーダンには、レスタト・デ・リオンコート役にトムを起用した明確な理由があったようだ。
このたび「/Film」のインタビューに応じたニール・ジョーダンが、トムを起用するに至った経緯を語った。
ニールによると、スポットライトを浴びるトムの人生が、レスタトのキャラクターと共通する部分があると考えたという。
その共通点の1つが、「氷のような支配力と美しさ」だった。さらに「私としては、トムの人生は本当の自分をさらけ出すことができないものだったんじゃないかと考えていたんだ。当時、彼は世界でもっとも有名なスターの1人だったからね。影にかくれながら生きなければいけない部分があるんじゃないかと思っていた」と語ったニールは、「そんな彼の人生と、ひっそりと生き続ける吸血鬼の人生が、ある意味並行しているように見えた」と続けた。
そんな『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は、ニールの思惑どおり大ヒット。完成した作品を見たアン・ライスも納得の仕上がりだったという。
ニールはインタビュー内で、「だれもがトムをミスキャストだと言った。しかし彼はみずから、それがまちがいであったことを証明したね」と断言した。