映画配給会社のワーナー・ブラザースは、大ヒット映画『ロード・オブ・ザ・リング』の新作映画を複数制作することを発表した。
ワーナー・ブラザースと映画製作スタジオのニュー・ライン・シネマは、スウェーデンのコンピュータゲーム持株会社のエンブレーサー・グループABと、「指輪物語」「ホビットの冒険」の映画化の権利を持つミドルアース・エンタープライズと新たに複数年にわたる契約を締結。現在『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの新作映画の製作を進めていることが明らかになった。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのCEOであるデヴィッド・ザスラフ氏は、現地時間2月23日(木)に行われた同社の2022年第4四半期決算に関する電話会議にて、このニュースを発表した。ザスラフ氏は前回の会議で、もっと多くのフランチャイズが必要であることを述べていた。
かつて世界的な大ヒットを記録した『ロード・オブ・ザ・リング』は、J・R・R・トールキンの小説「指輪物語」を原作とした3部作の映画で、2001年に第1作目『ロード・オブ・ザ・リング』、2002年に『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』、2003年に『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』が公開された。監督はピーター・ジャクソンが務めた。
オリジナル映画公開後、ワーナーはピーター・ジャクソン監督と再びタッグを組み、MGMとの共同制作で映画『ホビット』3部作を製作した。この6作を合わせると、全世界で約60億ドル(約8079億円)の興行収入を記録した。
ニュー・ライン・シネマ社とワーナー・ブラザース・アニメーション社は現在、『ロード・オブ・ザ・リング』の物語の183年前を舞台にした、長編アニメ映画『The War of the Rohirrim(原題)』を製作中で、2024年4月12日に全米公開される予定となっている。
エンブレーサー・グループの事業会社であるフリーモードのCEO、リー・ギンチャードは、「先日のミドルアース・エンタープライズの買収に続き、ニュー・ライン・シネマとワーナー・ブラザースと共同で、J・R・R・トールキンの無類の世界を新たな刺激ある方法で大画面によみがえらせるという、この新しい共同作業に乗り出すことができて感無量です」と、そのよろこびを声明で発表。さらに「我々は、これらの作品がいかに大切にされているかを理解しており、ニュー・ライン・シネマとワーナ・ブラザースのパートナーと共に、過去に敬意を払い、未来を見据え、最高レベルの品質と生産価値を堅持していくつもりです」と語った。
また、ワーナー・ブラザースの映画グループの共同会長兼CEOのマイケル・デ・ルカとパム・アビーは、「20年前、ニュー・ライン社は『ロード・オブ・ザ・リング』のすばらしい物語、キャラクター、そして世界を大きなスクリーンで実現するために、前例のない飛躍をしました。その結果、何世代にもわたってファンに受け入れられてきた画期的な映画シリーズが誕生しました。この2つの3部作には愛情と壮大さとディテールが詰め込まれていますが、J・R・R・トールキンが夢見た広大で複雑でめくるめくユニバースは、映画ではほとんど未開拓のままです。 ファンを中つ国の世界に深くいざなう機会を得たことは光栄であり、この冒険でミドルアース・エンタープライズとエンブレーサー・グループと提携できることに興奮しています」と声明の中で述べた。