「TikTok」のCEOショウ・ジ・チュウ氏が、アメリカ国内ユーザーのデータ保護について米国議会で証言する。
アメリカ国内で国家安全保障への懸念が高まる中、3月22日(水)、米下院エネルギー・商業委員会は木曜日にショウ・ジ・チュウ氏が証言する内容を記載した文書を公開した。
この文書によると、ショウ氏は「TikTokは、米国のユーザーデータを中国政府と共有したことはありませんし、共有の要請を受けたこともありません。また、そのような要求があったとしても、TikTok はそれを受け入れないでしょう」と主張。さらに、TikTokの親会社である中国企業「バイトダンス」について「政府・国家機関によって所有・管理されていない民間企業であり、中国やその他の国の代理人ではありません」と明言する予定だという。
若者を中心に多くの利用者を抱える動画共有プラットホーム「TikTok」については、かねてよりアメリカ国内で、ユーザーデータが中国政府にわたる危険性があるのではないかと問題視されており、議員の間では同アプリの使用禁止を求める声もあがっている。
また、ジョー・バイデン政権は先週、TikTokの米国事業の株式を売却するよう求めており、もし遂行されなければアメリカ国内での使用禁止措置にいたる可能性があると述べていた。
なお、ショウ氏は証言の中で、代替案があることを主張する予定だとされている。
「プロジェクト・テキサス」と呼ばれるこの代替案は、同社が15億ドル(約1970億円)以上を費やして取り組んだデータ保護計画で、「米国のユーザーデータを、米国法の保護下に置き、米国主導のセキュルティーチームが管理する構造にすることで、中国政府がそれにアクセスすることができない仕組みになっている」という。データ管理は、TikTokの子会社「U.S. Data Security(USDS)」社が行う。
ショウ氏はこの代替案を議会に提示することで、アプリの使用禁止措置をまぬがれようとしているようだ。ショウ氏によると、現在TikTokは、米国内で1億5000万人以上に利用されているという。