昨年11月、フロリダ州に住む高齢の女性が、孫娘を車内に放置し、熱中症で死亡させるという事故を引き起こした。この女性は、事件の1年前にも、孫を預かっている間に溺死させてしまったことがあった。
米国フロリダ州タンパのテレビ局「WFTS」などが入手したハーディー郡保安官事務所の告訴状供述書によると、トレーシー・ニックス(65)は2022年11月、当時生後7か月だった孫娘ウリエル・シャックちゃんを高温になったSUVの車内に放置。死亡させたとして加重故殺罪で告発された。ウリエル・シャックちゃんを車内に残している間、トレーシー・ニックスは自宅でピアノの練習をしていたという。
トレーシーは捜査官に対し、孫娘のことを「ただ忘れていた」と語っており、他の孫が自宅に来て初めて、午後の間ずっとウリエルちゃんを車内に残していたことに気がついたとされている。
トレーシーの夫がSUVの後部座席にいるウリエルちゃんを見つけ心肺蘇生を試みたが、間に合わなかった。当時の外気温は32.2℃に達していたとされている。
トレーシーの代理人弁護士はWFTSに対し、「誰かが死んだからといって、必ず誰かが代償を支払わなければならないとは限らない。これは明らかに事故であり、問題は、重度の過失があるかどうかだ」と語っている。
しかし、トレーシーが起こした悲劇はこれが初めてでない。
2021年、クリスマスを数日後に控えたある日、ウリエルちゃんにとって兄にあたる当時1歳4カ月のエズラくんも、トレーシーに預けられている間に亡くなった。エズラくんはトレーシーが眠っている間に、近くの湖で溺死したと報じられている。
トレーシーはこの事故に関して起訴されることはなかった。州検事局によると、「過失を立証する証拠が不十分だった」という。
ウリエルちゃんの死からまもなく、両親は葬儀やセラピー費用を捻出するためクラウドファンディングを開始した。現時点で22,000ドル(約292万円)以上の寄付が集まっている。