※この記事には、ショッキングな映像などが含まれています。
歌手のマドンナが、20年前の楽曲「アメリカン・ライフ」のオリジナルMVを今になり公開したのだが、その衝撃的な内容が注目を集めている。
マドンナは20年前の2003年に、自身にとって10枚目となるアルバム「アメリカン・ライフ」をリリース。同アルバムの1曲目には、アルバムタイトルと同じシングル「アメリカン・ライフ」が収録されている。
同曲のミュージック・ビデオは2003年4月に公開。当初は、マドンナがミリタリールックで登場するなど戦争をテーマにした内容であったが、公開時期がちょうどアメリカとイラクの戦争開戦と同時期であったため、それを考慮しアメリカでの公開が中止に。その後、MVは再編集され、世界各国の国旗をバックに軍服姿のマドンナが歌うという非常にシンプルなものに変更された。なお、マドンナは当時「このMV制作時には戦争が起ころうとしているとは知らなかった」と話していた。
【動画】再編集版「アメリカン・ライフ」MV
しかし20年の時を経た今、マドンナは「アメリカン・ライフ」の「ディレクターズ・カット」をYouTubeで公開。2003年当時に制作されたオリジナル版であるこのMVは、マドンナの歌声をバックに、軍服を着た兵士たちがファッションショーのランウェイを歩く姿から始まる。
しかしMV中盤から、ランウェイのスクリーンに実際の戦争の映像が流れ、銃弾を抱えた子供や、ベトナム戦争の犠牲者らしき人々がランウェイに続々と登場。さらに戦争で負傷し、両足のない人や血まみれの兵士、火だるまになった女性などがステージで走り回るなど、かなり衝撃的で生々しい映像になっている。
【動画】「アメリカン・ライフ」ディレクターズカット版
ステージ上で苦しんでいる人たちを見て、自分には関係ないとばかりに笑っているファッションショーの観客。このビデオでマドンナは戦争の残虐性を訴えたかったのだろう。最後にはマドンナが手りゅう弾を投げ込み、車で逃走するシーンで終わっている。
この動画のコメントでは「戦争がどれだけ最悪なものかを思い出させてくれる」や「今の新しい世代はマドンナに感謝し、彼女が今でもなぜ重要な存在であるかを再発見するでしょう」、「彼女はアートとして最大限にビデオを活用する方法を知っている」などといった声が集まっている。