デイリー・ミラー紙の発行元が、ヘンリー王子に謝罪したことがわかった。
5月10日(水)、イギリス王室のヘンリー王子らが、デイリー・ミラー紙などを発行するミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)社を相手取って起こした裁判が始まった。
ヘンリー王子はこの裁判にて、同社が過去に、ボイスメールのハッキングや電話盗聴など違法な情報収集を行っていたと訴えている。
MGN社は提出した法廷文書の中で、この情報収集の1つについて「無条件で謝罪するとともに、ヘンリー王子が適切な補償を受ける権利があると認める」と述べた。
MGN社が認めているのは、2004年、同社が所有するサンデー・ピープル紙が、私立探偵に75ポンド(約12700円)を支払い、ナイトクラブにいたヘンリー王子の情報を収集させたというもの。
同社は「ナイトクラブでのヘンリー王子の行動と何か関係していることは明らかだが、これがどのような情報に関連していたのかはわからない」としつつ、「私立探偵への支払いが、違法な情報収集を行うよう指示したものであることは認める」と付け加えた。
なお、この裁判はヘンリー王子を含む4人の著名人が原告となっているが、MGN社はボイスメールのハッキングについては否定。また同社は、問題とされている期間が1991年から2011年にかけてであることから、裁判を起こすには時間が経ちすぎていると主張した。
ヘンリー王子の弁護人デヴィッド・シェボーンは、MGN社を相手取ったヘンリー王子の主張について、「1995年から2011年という期間の問題だけではない。その期間に行われていた活動についても問題視するべきだ」と述べ、情報収集の方法が「立ち入りすぎている」と指摘。
そのうえで、「だれも、こんなことをされるべきではない」と訴えたデヴィッド・シェボーンは、ヘンリー王子らが問題視した情報収集が、ジャーナリストや編集者の間で「習慣的かつ広範囲」に行われていた、と付け加えた。