カンヌ国際映画祭にて、1人の女性がウクライナへの侵略戦争に関するデモ活動を行い、警備員から追い出される騒動が起こった。
5月21日(日)、フランス・カンヌで開催されている第76回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットにて、ウクライナの国旗と同じ青と黄色のドレスを身にまとい、階段をのぼる1人の女性の姿があった。
女性は階段の途中で立ち止まると、胸元から赤い液体のようなものが入ったカプセルを取り出し、自分の頭上で破裂させた。
VIDEO: Cannes action.
A woman dressed in Ukrainian colours pours fake blood on herself on the steps of the Palais des Festivals during the screening of the film 'Acid', before being removed by security staff pic.twitter.com/v7hAz1zetW
— AFP News Agency (@AFP) May 22, 2023
女性の表情こそほほえんでいたが、その姿は、まるで血まみれになっているように見える。
その後女性は、駆けつけた警備員の手によって、会場から追い出された。
なお、カンヌ国際映画祭でロシアによるウクライナ侵攻に対するデモが行われたのはこれが初めてではない。
昨年の映画祭でも、レッドカーペット上に、上半身をウクライナカラーにボディペイントした女性が現れ、「私たちをレイプしないで」と訴えていた。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事攻撃。これを受けウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、さまざまな世界的イベントにメッセージを寄せ、支援を訴えている。
昨年のカンヌ国際映画祭では、サプライズでビデオ出演し、演説を行ったウォロディミル・ゼレンスキー大統領。
彼は演説の中で、戦争の悲惨さを強調するとともに、「映画は何も発しないのですか?それとも、声をあげていきますか?独裁者が現れたのなら、自由のための戦争であるならば、もう一度、我々は団結すべきなのです。映画は、この団結の外に存在するのでしょうか」と呼びかけ、「チャップリンの『独裁者』では、本物の独裁者を滅ぼすことができませんでした。それでも、この映画のおかげで、映画を鑑賞した人たちのおかげで、映画が『声を発しないもの』ではなくなったのです」と付け加えた。