トム・ホランドが、これまででもっとも難しかった役柄について語っている。
このたび、業界誌「The Hollywood Reporter」のインタビューに応じた俳優のトム・ホランドは、これまでのキャリアの中で、まもなくAppleTV+で公開されるドラマ「The Crowded Room(原題)」での役柄がもっとも挑戦的なものだったと明かした。
インタビューの中で「この作品は、あらゆる面でぼくという人間を破壊した」と衝撃的なコメントを残したトムは、「ぼくはとにかく集中するしかなかった。一切の妥協(だきょう)を許さず、ただベストを尽くしたんだ」と続けた。
この作品でトムは、解離性同一性障害(※)と診断された犯罪者を演じている。そしてそのストーリーは、実際に起こった事件に基づいている。
※ひとりの人間の中に全く異なる人格が存在すること。
なかなか理解を得られにくい役を演じることについて、「興味をそそられた」とオファーを受けた理由を明かしたトムは、「ぼくたちが描いているのは、間違いなくフィクションだ。とはいえ、この作品を実現させるため、本を読んだり、ドキュメンタリーを見たり、映画を見たり、専門家に話を聞いたり、多くのリサーチが行われた。この物語を繊細(せんさい)かつ本物のように伝えること、それがぼくたちにとって、とても重要だったんだ」と、作品に込めた思いを語った。
「The Crowded Room」でドラマ初主演をつとめたトム。彼は、この作品のプロデューサーとして、10話すべてにおいて演出やセリフ、セット、制作過程で発生した問題など全てに関与していたという。
同じくプロデューサーをつとめたアレクサンドラ・ミルチャンは、そんなトムについて、「彼はいつだって準備万端だった」と明かすと、「トムは気づかいがすばらしい上に、すべてをささげてくれる。彼は自分の心と魂を開いて、この作品にのぞんでくれた。それは、作品の中からも見て取れるはず。作品の中で彼は、自身の純粋さや弱い部分も見せてくれている。ごまかすことはできないものよ」とトムの人間性を絶賛した。