ツタンカーメン王の姿が、3300年以上の時を経てついに明らかになった。
オーストラリア、イタリア、ブラジルの研究チームはこのたび、ミイラ化した頭がい骨のデジタルモデルを利用し、ツタンカーメン王の顔を再現することに成功した。
ブラジルのグラフィック専門家シセロ・モラエス氏は今回の研究結果について、「彼は繊細(せんさい)な顔立ちをした若者のように見える」と述べ、「興味深い話だが、責任を抱えた政治家というよりも、若い学生のようだ」と説明した。
King Tut’s face revealed for the first time in over 3,300 years https://t.co/O7Nz7S6LwY pic.twitter.com/2wQ24XqyKa
— New York Post (@nypost) May 31, 2023
A new 3D rendering brings King Tut to us like never before. Using cutting-edge forensic techniques, experts have reconstructed #Tutankhamun’s face based on his skull and historical references.
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— Ancient Origins (@ancientorigins) June 2, 2023
シセロ・モラエス氏によると、研究チームはツタンカーメン王の頭がい骨に直接触れることができなかったことから、デジタル化は困難を極めたという。
それでも、過去の研究記録から、ツタンカーメン王の頭がい骨のサイズを割り出すことができた。
「たくさんの情報をつなぎ合わせ、頭がい骨の3次元モデルを作るという作業は、まるで探偵のようでした」とふり返ったモラエス氏は、「サイズのデータと、特殊な技術で導き出された数値によって、仮想ドナーのデジタルモデルをツタンカーメンのものになるよう調整することができました」と付け加えている。
モラエス氏によると、くちびるの大きさや眼球の位置、耳の高さ、鼻の形に至るまで、過去のデータから再現したという。
「今回の再現結果はすべて、異なる祖先を持つ複数の人々のCTスキャンを用いた、統計的な研究に基づいています」と述べたモラエス氏は、今回の研究に現代エジプト人のデータも用いられていることを明かしている。
モラエス氏は、「私たちは、生きている人のデータを使い、予想と実測を比較しながら研究を進めてきました。一般的な構造において、実際の顔との適合性がかなり高いと確信しています」と、今回の研究結果に自信を見せた。
ツタンカーメン王の歴史の多くはナゾに包まれているが、9歳で王位につき、19歳で亡くなるまでの10年間、国を統治していたことで知られている。