沈没船タイタニック号の探索ツアーの潜水艇圧壊事故で、カナダ東部で陸揚げされた潜水艇の残骸から「遺体」のようなものが発見されたことが明らかになった。米時間6月28日(水)、アメリカ沿岸警備隊が発表した。
6月18日、1912年に大西洋に沈んだ豪華客船「タイタニック号」の探索ツアーのため、イギリスの大富豪ハミッシュ・ハーミング氏(58)、イギリス人実業家シャザダ・ダウッド氏(48)、彼の息子のスレマン・ダウッド氏(19)、元フランス海軍の潜水士で「ミスター・タイタニック」の異名を持つポール=アンリ・ナージョレ氏(77)、操縦士でツアーを運営するオーシャンゲート社のCEOストックトン・ラッシュ氏の5名を乗せた潜水艇「タイタン」が出発。
その4日後の6月22日、沿岸警備隊当局は、タイタンの先端部や船体耐圧室の一部を含む、いくつもの破片を発見したことを報告。潜水艇は「壊滅的な爆縮」により乗員・乗客5名全員が死亡したと伝えられた。
そして今回、圧壊した潜水艇の残骸の中から、遺体のようなものが発見されたことが明らかになった。
'Presumed Human Remains' Recovered from 'Titan' Sub Wreckage, Coast Guard Says https://t.co/HD06t2Hssk
— People (@people) June 29, 2023
沿岸警備隊は声明で、「米国の医療専門家は、事故現場の残骸の中から慎重に回収された『遺体』と推定されるものの正式な鑑定をおこなう予定である」と発表。海洋調査委員会(MBI)がこの証拠を米国内の港に運び、そこでMBIがさらなる分析と検査を行う予定であると述べた。
捜査当局は、事件関係者への事情聴取を含む、捜査の正式なスケジュールを明らかにしていない。
MBI委員長のジェイソン・ノイバウアー船長は「この証拠は、いくつかの国際的な管轄区域の調査官に、この悲劇の原因に関する重要な洞察を与えるでしょう」「タイタンの大惨事を招いた要因を解明し、同じような悲劇が二度と起こらないようにするためには、まだかなりの量の作業が必要です」とコメントしているという。