マーゴット・ロビー主演の新作映画『バービー』が、ベトナムにて上映禁止となった。Insiderなどが報じている。
8 月 11 日(金)に日本公開される『バービー』。スタイリッシュなファッションと明るいキャラクターで、多くの女性を虜にしてきたバービーを演じるのは、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』のマーゴット・ロビー。ケンを演じるのは、『ラ・ラ・ランド』でアカデミー主演男優賞にノミネートされた、ライアン・ゴズリング。監督は『レディ・バード』でアカデミー監督賞・脚本賞にノミネートされたグレタ・ガーウィグが努める。豪華俳優陣が出演するとあって、この夏もっとも期待される作品のひとつとなっている。
しかし、そんな本作がベトナムで公開されないことが明らかとなった。
ロイター通信は月曜日、地元の報道を引用して、本作には、「南シナ海の係争地域をめぐる中国側が主張している地図」が登場するため、上映禁止になったと報じた。この海域には、中国やベトナムをはじめ、資源豊富な海域に対する領有権を主張する国が多数ある。中国は南シナ海のU字線の海域の領有権を主張しており、地図上の描かれ方から「九段線(9ダッシュライン)」と呼ばれている。ロイター通信によると、ベトナム映画局のヴィ・キエン・タイン局長は、国営紙『トゥオイチェー』に対し、「我々は、アメリカ映画『バービー』がベトナムで公開されることを許可しない」とコメントした。
この問題で、ベトナムで上映禁止になった映画はこれが初めてではない。アニメーション映画『スノーベイビー』とトム・ホランド主演『アンチャーテッド』は、同じ地図を描いたという理由で上映禁止になった。2016年、ハーグの国際法廷は「九段線」には法的根拠がないと判断したが、中国側はこの判決を無視しているという。