タイタンがこれまでに受けたダメージは、水圧のよるものだけではなかったようだ。
6月22日、消息を絶っていたタイタニック号を探索する観光潜水艇「タイタン」が水圧によって爆発し、乗っていた乗員乗客5名は全員死亡したと発表された。タイタンには、このツアーを運営してたオーシャンゲート社のCEOストックトン・ラッシュが操縦士として乗船していた。
現在も事故の原因究明が進められている中、過去にストックトン・ラッシュが応じていたとされるインタビュー映像が発掘され、その内容が物議をかもしている。
現在注目を集めているのは、2020年に公開された、海底技術企業「Teledyne Marine」とラッシュのインタビュー動画。ラッシュはこの中で、テスト潜水中のタイタンが、「落雷による深刻なダメージを受けた」と語っていたのだ。
さらにラッシュは、2018年にバハマで起こったというこの事故について、「幸い、直撃ではなかった。もしカーボンファイバーに直撃していたら、間違いなく全滅していただろう」と付け加えている。この動画のオリジナル版は削除されているものの、ネット上にはすでにコピーが出回っている。
また、当時、オーシャンゲート社は公式のインスタグラムでも、バハマでのテスト潜水について報告していた。投稿の中で同社は、「到着後、潜水艇の電子機器は雷による損傷を受け、内部システムの70%以上が影響を受けました。バハマでの例年にない嵐と強風というコンディションも相まって、チームはタイタニック号探索の少なくとも45日前に船として最初の4000メートル潜水を完了させるという項目を成功させることができませんでした」と発表している。
なお、インタビューの中でラッシュは、同社が潜水艇の破損部品を迅速に交換したと語っており、今回の事故との関連はわかっていない。