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映画『オッペンハイマー』クリストファー・ノーラン監督、人工知能へ警戒心「AI分野の第一線の研究者たちと話すと・・」

クリストファー・ノーラン監督(photo : Laurent VU / SIPA / Shutterstock) NEWS
クリストファー・ノーラン監督(photo : Laurent VU / SIPA / Shutterstock)

映画『オッペンハイマー(原題)』のクリストファー・ノーラン監督は、人工知能(AI)が “オッペンハイマーの瞬間 “に到達する「恐ろしい可能性」について警告している。

『オッペンハイマー』は、1億ドル(約140億円)もの予算が投じられた超大作。日本に甚大な被害をもたらした原子爆弾の開発に尽力した人物であり、「原爆の父」と呼ばれる物理学者ロバート・オッペンハイマー(演:キリアン・マーフィー)を主人公にした作品だ。エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピューらが出演する。

『オッペンハイマー』の特別試写会後、ノーラン監督は、急速に発展するテクノロジーと、原爆の誕生を描いた本作を比較した。

このパネルには、ノーラン監督のほか、ロスアラモス国立研究所所長のトム・メイソン博士、物理学者のカルロ・ロヴェッリ博士、キップ・ソーン博士、さらに『American Prometheus: The Triumph and Tragedy of J. Robert Oppenheimer』作家のカイ・バードなどが参加した。

「この15年間、アルゴリズムなどという言葉を乱発する企業が増えたが、その意味を真剣に理解しているわけではない。これらの人々はアルゴリズムが何を意味するのか知りません」「私の業界の人々がそれについて話すとき、彼らは単にそのアルゴリズムが何をしているのかに対して、責任を負いたくないのです」とノーラン監督はコメントし、「AIに適用すれば、それは恐ろしい可能性なのです」と続けた。

さらにノーラン監督は、「特に、AIシステムは最終的には防衛インフラに組み込まれます。彼らが核兵器を管理する立場になるでしょう。それを扱う人物、プログラミングする人物、AIを使用する人物とは別の存在だと言うのであれば、私たちは絶望的です。責任を問うことが必要です。人々が持つツールの使用に対して責任を追及する必要があります」と自身の見解を明かした。

SAG-AFTRAが木曜日にストライキを命じ、WGAのメンバーもピケに参加した。彼らが訴えている主要な問題は、AIの問題と、それがエンターテインメント業界の労働慣行に及ぼす影響である。「今ハリウッドで起きている労働争議の多くは、AIについて話すときも、これらの問題について話すときも、最終的にはすべて同じことから生まれている」と話したノーラン監督。

さらに司会者からは「オッペンハイマーについて再評価が行われると思いますか?量子物理学の理解が進み、原子の制御が進むにつれて」と質問された時に「そう願います」とノーラン監督は回答。

「例えば、AIの分野の第一線の研究者たちと話すと、彼らは文字通り、今、この瞬間をオッペンハイマーの瞬間と呼んでいます。『意図しない結果をもたらすかもしれない新技術を開発する科学者には、どのような責任があるのか』と歴史に目を向けているのです」と続けた。

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