ゴミ箱に捨てられた乳児が、野良犬によって発見され、九死に一生を得たことがわかった。
7月19日(現地時間)、レバノン北部の都市トリポリにて、赤ちゃんを運んでいる野良犬が発見された。ナショナル誌によると、乳児は黒いゴミ袋に入れられており、袋の中から赤ちゃんの泣き声がすることに気がついた通行人によって救出されたという。
無事救助された赤ちゃんは居合わせた人によってイスラム病院に運ばれ、その後トリポリ政府病院へと移送された。なお、現地警察は乳児を遺棄した犯人を捜索中だという。
赤ちゃんは、額(ひたい)にすり傷や赤いあざが見られるものの、幸いなことに容態は安定しているという。なお、この乳児について、生後約4か月という報告もあれば、数時間前に生まれたという話もあり、正確な月齢は不明である。
奇跡的に救出された赤ちゃんのニュースはネットですぐさま話題となり、SNS上では「犬は汚れた動物だという人もいるけど、絶対そんなことはない」「赤ちゃんを捨てた悪魔のような奴よりも、犬のほうがよっぽど優しくて、頭がいい」「動物は人間よりも思いやりがある」など、野良犬の行動を称賛する声が続出。また、多くの人が乳児との養子縁組を申し出ているそうだ。
しかしながら、なぜ犯人は赤ちゃんをゴミ箱に捨てたのだろうか。犯行の動機についてレバノンのジャーナリスト、ガッサン・リフィ氏は、“野良犬に息の根を止めてほしかったのではないか”と考察。「ゴミ箱に捨てて逃げた人物は、犬が赤ちゃんにとどめを刺して、死骸を食べてくれるかもしれないと期待した可能性もある」とSNSにつづった。
「いずれにしても、赤ちゃんが入ったゴミ袋をひきずっていた犬のほうが、赤ちゃんを遺棄した残忍な犯罪者よりもずっと人の心がある」
ゴミ箱に捨てられるというショッキングな経験をした赤ちゃんだが、どうかこの先、この乳児にたくさんの幸せが訪れることを願いたい。