アメリカの伝説的歌手、トニー・ベネットが7月21日に96歳で亡くなり、長年の友人でコラボレーターでもあったレディー・ガガが彼に追悼の意を表した。
レディー・ガガはインスタグラムに、「私は永遠に友人を恋しく思うだろう。彼と一緒に歌い、一緒にレコーディングし、彼と話し、一緒にステージに立てなくなったことが寂しいわ。トニーと一緒にいると、私はタイムワープしたような人生を送ることができた。トニーと私は魔法のような力を持っていたの。私たちは別の時代に自分たちを連れて行き、一緒に音楽を現代化し、歌のデュオとして新しい命を与えた。でも、それは演技ではなかったわ。私たちの関係はとてもリアルだった。彼は私に音楽について、ショービズ人生について教えてくれた」と書いた。
続けて「“まっすぐ前へ”。彼は楽観主義者で、質の高い仕事と質の高い人生を信じていた」とトニーの人柄を説明し、「トニーはいつも感謝していた。彼は第二次世界大戦に従軍し、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとともに行進し、世界で最も偉大なシンガーやプレイヤーたちとジャズを歌ったのよ」と述べた。
「私は長い時間トニーの死を悲しんだの。私たちはとても長く、力強い別れをした。私たちの間には50年の隔たりがあったけれど、彼は私の友人だった。本当の真の友人だった。私たちの年齢差は問題ではなかった。それどころか、それは私たちに、ほとんどの人にはないものを与えてくれたの。私たちは人生において、まったく異なる2つのステージにいた。インスパイアされたわ」と彼と築き上げた友情について語り、アルツハイマーになったトニーを失うのは「辛い」とコメント。しかしその一方で「本当に美しいことでもある」と説明。「記憶喪失の時代というのは、その人の人生においてとても神聖な時間なんだ。傷つきやすく、尊厳を保ちたいという気持ちがある。私がトニーに望んでいたのは、私がどれだけトニーを愛していたか、そして彼が私の人生にいてくれたことにどれだけ感謝していたかを覚えていてもらうことだったの」とガガは続けた。
最後にガガは「トニー、愛してるわ。愛をこめて」と締め括った。
レディー・ガガはベネットと2011年に出会い、親交を深め、コラボレーターでもあった。コラボレーション・アルバム『ラヴ・フォー・セール』は二人で作った最後のジャズ・アルバムとなった。ガガの右の二の腕にあるトランペットのタトゥーは、画家でもあるベネットがガガのために描いたものだという。