ティモシー・シャラメ主演映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で、ヒュー・グラントが小人のウンパ・ルンパ役を演じることについて、小人症の俳優が批判した。
12月15日に日米同時公開予定の『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、『チャーリーとチョコレート工場』の主人公として知られるウィリー・ウォンカの過去を描く映画。大人気の若手俳優ティモシー・シャラメが演じるウォンカと共に、『チャーリーとチョコレート工場』でもおなじみのウンパ・ルンパも登場が決まっており、ウンパ・ルンパを演じるのが人気俳優ヒュー・グラントだ。
しかし、誰もが彼のウンパ・ルンパ姿を楽しみにしているわけではない。ヒューも登場する『ウォンカ』の予告編を観た小人症の俳優ジョージ・コッペンは、7月26日にBBCの取材に応じ、「ウンパ・ルンパの役は、小人症の俳優に任せるべきだった」と、ヒューが配役されたことについて否定的な意見を述べた。
過去にコッペンは『スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』イウォーク役や、『スクール・フォー・グッド・アンド・イービル』キューピッド役などで映画に出演経験がある。
コッペンは「(小人症の)俳優の多くは、自分たちが愛する映画業界から押し出されているように感じている。私も含めた多くの人が、小人症でも日常的な役をオファーされるべきだと主張しているが、私たちはそのような役をオファーされていない」と、小人症の俳優が抱える疎外感を明かし、予告編でヒュー・グラントの肥大化した頭にしか目に行かなかったというコッペンは「ヒュー・グラントに何をしたんだ?」と予告編で頭が肥大化したヒューの姿を批判した。
ちなみに、『チャーリーとチョコレート工場』において1人で大量のウンパ・ルンパを演じたディープ・ロイは身長が132cmであった。1971年に同じ原作を映画化した『夢のチョコレート工場』という映画では小人症の俳優が多く起用され、ウンパ・ルンパ役を演じていた。そんな過去の実績もあるため、期待を裏切られた小人症の俳優たちのショックは大きかったことだろう。
【動画】『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』US版予告編 12月15日日米同時公開
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。