マレーシアの音楽フェスティバルのステージ上で、反LGBTQ+政策に抗議し、同性同士でキスをした人気バンド The 1975が、契約違反で訴えられたことがわかった。
マシュー・ヒーリー率いるThe 1975は今年7月、マレーシアの首都クアラルンプールで行われた国内最大級の音楽フェス「Good Vibes Festival 2023(グッド・ヴァイヴス・フェスティバル)」に出演。その際、同国の政策を非難するスピーチを行ったほか、バンド仲間のロス・マクドナルドとキスをし、ステージから退場させられた。
この事態を重く見たマレーシアの通信デジタル省は、「マシューの物議を醸す行為と発言」を理由に、3日間予定されていた「Good Vibes Festival」の中止を発表。週末のラインナップには、ダニエル・シーザー、ザ・ストロークス、ザ・キッド・ラロイ、タイ・ダラー・サインなど、人気アーティストの出演が予定されていた。
米Varity誌によると、「Good Vibes Festival」の主催者であるフューチャー・サウンド・アジアの弁護士デヴィッド・マシュー氏は、バンドの契約不履行を理由に書簡を発行。主催者側は、The 1975に対し、イベント中止によるエージェンシーの損失、総額270万ドル(約4億円)の補償を求めている。
「彼らはフューチャー・サウンド・アジアと出演に関して拘束力のある契約を締結しており、中でもフューチャー・サウンド・アジアは、この契約上の義務が破られた立場にあります。さらにヒーリー氏の代理人は、ヒーリー氏とThe 1975がマレーシアでのライブパフォーマンス中、“すべての現地のガイドラインと規則に従う”という確約書をショーの前に提供していました。残念なことにその確約は無視されました」
また、デヴィッド・マシュー氏は「(The 1975の)行動は、生計と創造の機会のためフェスティバルを頼りにしていた地元のアーティストや中小企業に影響を及ぼした」とも述べている。