人気海外ドラマ「glee/グリー」(2009-2015)でアーティ役を演じたケヴィン・マクヘイルと、ティナ役を務めたジェナ・アウシュコウィッツが、成年後見制度時代に同作に出演した歌手ブリトニー・スピアーズとの共演秘話を明かした。
「glee」の裏話を語るポッドキャスト番組「And That’s What You Really Missed」にて、2人は2010年に放送された「glee」シーズン2の第2話「憧れのブリトニー・スピアーズ」にブリトニー本人が出演した際の思い出話を披露した。
【動画】「Me Against the Music」パフォーマンス映像(「glee」より)
あこがれのアイドルであるブリトニーが「glee」に出演すると知った際、「信じられない」という思いだったというジェナ。しかしながら、「『彼女は来るのかな?来ないのかな?』とも思ったの。彼女が現れるか確信はなかった」とも明かしている。どうやらブリトニーが約束通り撮影現場に来てくれるか、少なからず不安もあったようだ。
また2人によれば、ブリトニーの出演が確定するや、警備がこれまでにないほど厳重になり、セットのすぐ隣に置かれたブリトニーのトレーラーは、要塞かのように保護されていたという。
そんなブリトニーの当時の様子について、ケヴィンは次のように説明している。
「彼女はとても静かでとても良い人だった。とても緊張していたね。紙を持つ手から緊張しているのがわかった。そして少し…。可能な限り最良の言い方をするならば…少し虚ろ(うつろ)だった。もっとも優しい意味で言うと、その時点で彼女はたくさんのことを経験していたに違いないから」
ブリトニー・スピアーズは2008年から2021年まで、“健康問題”を理由に仕事や財産、プライベートに至るまで、すべてを実の父ジェイミー・スピアーズが管理するという「成年後見人制度」の下にあった。ケヴィンの「虚ろ」という表現は、ブリトニーを支配し続けてきた「成年後見人制度」が関係していたのかもしれない。ジェナもいま思えばその状況が「胸を打つ」と話している。
ケヴィンはまた、「彼女の周りには大きなチームがいたから何が起こっているかを目撃するのは本当に大変なことだった。そのシーンを撮るって決めたとき、彼女が本当にがんばっていたのを覚えている。彼女は本当にやりたがっていて『ああ、もう一度やらせて』と言っていた。そしてライアン(・マーフィー ※ショーランナー)は『いいね』って。彼女は『これをやってみても良いかしら?』とも言っていた。(彼女には)アイデアがあってそれはすばらしいものだった。それから、彼女をチームの誰かが連れて行くんだ。そして彼女は戻ってくると、ふさわしい言葉かわからないが、少し虚ろになるんだ」とも発言。ケヴィンの目にはブリトニーの行動を周りが制御しているように見えたようだ。
ケヴィンの発言を受け、ジェナは「私たちが質問するときは、彼女の周りの人が話しているような感じがした。いつもみんなが彼女の代わりに答えるの」と、疑問に思ったブリトニー側の対応を明かした。
ケヴィンは「彼女が望んでいた方法で参加する機会が与えられなかったように感じた」とも指摘している。