あの「ストレンジャー・シングス」がファイナル・シーズンを迎えるにあたり、現在わかっている情報を整理する。
Netflixの歴史のなかで最も予算と時間を費やされ、数えきれないほどのファンの心をつかんできた「ストレンジャー・シングス 未知の世界」が終わろうとしている。
2015年時点で、製作のダファー兄弟(マット・ダファー&ロス・ダファー)は「完全なストーリーアークを計画した」と発言しており、このシリーズが4〜5シーズンで結末を迎えることは常にわかっていた。
マックス(セイディ・シンク)が昏睡状態に陥り、「裏側の世界」がホーキンスを支配することを予告したシーズン4の不吉なエンディング以来、ファンはハラハラしながらファイナル・シーズンを待っている状況だが、今後を期待させるいくつかのヒントはすでに届いている。今回はそんな、現状判明している情報を11項目紹介する。
1)ハリウッドのストライキで製作が保留中
ファイナル・シーズンの脚本の執筆は2022年8月に始まった。
ダファー兄弟によると、その時点ですでにストーリー全体の概要は決まっていたというが、現在今作の製作はハリウッドの俳優と脚本家の二重ストライキにより中断されており、撮影はまだ開始されていないため、シーズン5のリリース日は不透明である。
2)第1話のタイトルは、“The Crawl”
Netflixはすでにファイナル・シーズン第1話のタイトルが“The Crawl”だと発表している。
作中でも登場する「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のような、ダンジョンに潜って探検するRPGゲームのジャンルが「ダンジョンクロウル(dangeon crawl)」と呼ばれていることから、このタイトルは主人公たちがマックスを救うために冒険に出ることを暗示しているのではないかと推測される。
製作のダファー兄弟もNetflixのアフターショーで、マックスが昏睡状態にあることはファイナル・シーズンに「信じられないほど関係する」と予告している。
3)リンダ・ハミルトンが出演
『ターミネーター』シリーズのサラ・コナー役で知られるリンダ・ハミルトンがファイナル・シーズンに出演することが判明しているが、役柄はまだ不明。
4)シーズン4よりは短くなる可能性
シーズン4は、全エピソードが壮大な上映時間を持つという、異例で盛りだくさんなシーズンだった。しかし製作のダファー兄弟は「Happy Sad Confused」のポッドキャストで、シーズン5がシーズン4ほど長くなる想定はしていないと語っている。
マット・ダファーは「5が始まった時点で時速100マイルで進むかどうかはわからないが、かなり速く展開するだろう」とテンポの加速を明言しつつ、フィナーレについては「少なくとも」2時間になるだろうと予測しており、コンパクトに収まるというわけではなさそうだ。
5)過去以上に主要なキャラクターの死が描かれる
シーズン4については、一部のファンから「主要キャラクターが誰も死ななかったことに失望した」といった意見もあった。それに対してダファー兄弟は「Happy Sad Confused」で、このシリーズは「憂鬱(ゆううつ)であること」を意図して製作しているわけではなく、主要キャラクターを殺すには、その悲劇的な反響に対処するためにかなりの時間を費やす必要があると弁明している。
しかし彼らは、最終シーズンでは“死”がより「テーブルの上」にあると不敵に笑った。
「(ファイナル・シーズンで)物語はもう終わるので、どんな反響があろうとも、その後の物語は想像上のものにしかならないからね」と彼らは言い、反響を恐れないアグレッシブな展開に期待を持たせている。
6)シーズン1に近い雰囲気になる
ロス・ダファーは、ファイナル・シーズンは「全シーズンの集大成のようなもの」になるとしながらも、「規模的にはシーズン4に近いものになるだろうが、トーンはシーズン1のようなものに立ち返る」ことを目指していると原点回帰を予告している。
一方、同シリーズの脚本家グループの公式ツイッターアカウントも、シーズン5を「シーズン1と4が子供を産んだようなもの。そしてその赤ちゃんにステロイドを注射したようなもの」だと、ロス・ダファーと同じような予告を投稿している。
Season 5 is like if season 1 and 4 had a baby. And then that baby was injected with steroids.
— stranger writers (@strangerwriters) March 21, 2023
7)「裏側の世界」に関する「重大な暴露」が控えている
ファンはシーズン4で裏側の世界(the Upside Down)について多くの事実を知ったが、ファイナル・シーズンではさらなる暴露が控えていると言われている。
ロス・ダファーはColliderに対し、「ファイナル・シーズンで明らかになるのは、裏側の世界そのものに関することだ」と新たな真実の発覚を予告。彼はまた、Netflixのアフターショーで「裏側の世界が実際には何なのかについての答え」がシーズン5の「核」になるだろうとも語っている。
また、マイク役のフィン・ウルフハードもColliderに対し、最終シーズンは「『ストレンジャー・シングス』の伝承、世界構築に関する非常に多くの疑問に答えてくれる」と、内容への期待を高めた。
8)新キャラクターはあまり登場しない
マット・ダファーはIndieWireに対し「最終シーズンは既存のキャラクターに集中できるよう、(新キャラクターの追加を)極力控えている」と、キャラクターの追加はあまりしない方針を答えている。
9)名監督がチームに加わる
エミー賞にノミネートされた映画『プレデター:ザ・プレイ』や『10 クローバーフィールド・レーン』の監督ダン・トラクテンバーグが、ファイナル・シーズンのエピソードを監督することが判明している。
10)ウィル・バイヤーズが物語の中心になる
ロス・ダファーは、Variety誌に対し、ファイナル・シーズンでウィル・バイヤーズ(ノア・シュナップ)が「再び主役になる」と予告している。
「彼のこのエモーショナルな物語は、うまくいけばシリーズ全体を結びつけることになると感じています」と彼は付け加え、最終章におけるウィルの重要さを強調した。
11)エンディングは「感動的」になる
デヴィッド・ハーバー(ジム・ホッパー役)が「Happy Sad Confused」で、シリーズ最終回の脚本は読んでいないものの、番組の結末はわかっていることを明かし、「とても、とても感動的なんだ」とエモーショナルな締めくくりを予告している。
【動画】デヴィッド・ハーバーが最近の出演作について語った動画(英語)
ショーン・レヴィ監督も同様に、「(ダファー兄弟が最終シーズンのストーリーを説明したとき、)部屋に目が乾いたままの人は1人もいなかった」と大号泣の予感をColliderに伝えている。
ついにやってくる「ストレンジャー・シングス」最終章。現在わかっている情報だけでも期待は高まるばかり。今後も明かされていくであろう新情報に目が離せない!
【動画】「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン4までNetflixにて配信中
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。