いま話題沸騰中の実写ドラマシリーズ版「ONE PIECE」。この記事ではシーズン2への期待や予想をまとめる。
この記事には、物語の核心には触れない程度の、「ONE PIECE」に関する軽いネタバレがあります。
2017年に原作者である尾田栄一郎がアナウンスして以来、5年の時を経てついに実写ドラマシリーズ版「ONE PIECE(ワンピース)」がNetflix(ネットフリックス)で配信開始となった。
シーズン1の全8話だけでも、実写版「ONE PIECE」はエキサイティングな大冒険、クールな戦闘アクション、そして愛すべきキャラクターたちによって視聴者を魅了。批評家からも高い評価を獲得している。
だが、100巻(1,000話)以上発売され、いまもまだ連載中のコミック「ONE PIECE」の壮大な物語からすれば、ドラマのシーズン1はまだまだ序章。ルフィたち「麦わらの一味」の冒険はまだ本格的なスタートすら切っていないといえるのだ。シーズン1で描かれたのは「東の海(イーストブルー)編」の9割方(※)であり、コミックでいうところの11巻途中(第96話)まで。まだコミック最新話までの10分の1にも達していないのが現状だ。
※コミックでは、シーズン2冒頭になるであろうローグタウンのエピソード(12巻)までが「東の海編」にあたる。
この記事では、今誰もが気になっているであろう、シーズン2への期待・予想を展開していく。
「ONE PIECE」シーズン2はいつ配信になる?
シーズン2の配信時期について、いまはまだ何ともいえない。
現在ハリウッドは、脚本家組合と映画俳優組合の大規模な二重ストライキの真っ最中であり、多くの映画やドラマシリーズがその影響を受けている。少なくとも、「ONE PIECE」シーズン2の制作も、この問題が解決するまでは始まらないはずだ。
しかも今作は1話あたりの製作費が約1,800万ドル(約26億4,000万円)とウワサされており、(「ゲーム・オブ・スローンズ」最終シーズンの製作費は1話あたり約1,500万ドルだった)Netflix作品としてはこれまでで最高額が投資されている。大規模なセットや魚人族などの特殊メイク、さらに毎話「悪魔の実」の能力をCGで再現しなければならないことなどを考えれば、製作費が高額になるのも納得だ。今後もさらに多くの映像技術が使われそう(事情は後述する)なことを考えれば、予算の確保も大きな課題になってくる。
とはいえ、「ONE PIECE」は世界でもっとも売れている漫画であり、まだ実写化されていない人気キャラも多い。原作ファンや一般視聴者の評判が良ければ、すぐにでもシーズン2の制作が始まることを期待したい。
「ONE PIECE」シーズン2はどんな話になる?
シーズン2が作られるとすれば、おそらく中心になるのは「アラバスタ編」。“麦わらの一味”はローグタウン、リヴァース・マウンテンといった土地を超えて「偉大なる航路(グランドライン)」に突入。さらなる仲間を増やし、強敵や大きな陰謀に立ち向かうことになるだろう。
「アラバスタ編」で大きく関わってくるのが、実写版ではゾロの初登場シーンに登場した組織“バロックワークス”。大量のエージェントが暗躍するバロックワークスの陰謀から、ルフィたちはアラバスタ王国という国を守るための命がけの戦いに挑むことになるのだ。
「アラバスタ編」といえば、ファンでなくとも有名な“仲間全員が拳を突き上げた後ろ姿”のシーンが登場する物語。そこにいたるまでの実写化に大きく期待したい。
「ONE PIECE」シーズン2には誰が登場する?
もちろんルフィ(イニャキ・ゴドイ)、ゾロ(新田真剣佑)、ナミ(エミリー・ラッド)、ウソップ(ジェイコブ・ロメロ・ギブソン)、サンジ(タズ・スカイラー)の5人は“麦わらの一味”として続投するだろうし、海軍のコビー(モーガン・デイヴィス)や漫画より早く登場したルフィの祖父ガープ(ヴィンセント・リーガン)、ライバル海賊といえるバギー(ジェフ・ウォード)やアルビダ(イリア・イソレリス・パウリーノ)、ルフィがあこがれるシャンクス(ピーター・ガジオット)なども再登場に期待だ。
本編の流れでいうとしばらく大きな出番はないが、ジュラキュール・ミホーク(スティーヴン・ジョン・ウォード)もいずれ再登場するだろう。
そして、まだキャストは明らかではないとはいえ、シーズン1の最後に後ろ姿がお披露目されたのは間違いなく海軍のスモーカーだ。コビーとはまた異なる形でルフィとライバル関係を深めていくであろうスモーカーには大きな期待が高まっている。
そして、「アラバスタ編」といえば、ファンが最も期待しているのはアラバスタ王国のネフェルタリ・ビビ王女、そして「ONE PIECE」のマスコット的存在でもある、人間トナカイのトニートニー・チョッパーだろう。
2人はシーズン2の中心になってくるであろうキャラクター。特になかなか珍しいビジュアルのチョッパーが実写化でどのように再現されるかについては、期待半分不安半分といったところ。確実にCGは必要になるため、常にCGのキャラクターが動き回ることになり、映像技術的にコストも上がりそうだ。
可愛いマスコットキャラのリアル化といえば、『名探偵ピカチュウ』が一定レベルの成功をおさめ、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズは大失敗の予告編による修正を経て大成功している。チョッパーもファンに受け入れられるビジュアルでお披露目されることに期待したい。
シーズン1では魚人のアーロンが担った「ラスボス」の役目だが、シーズン2では王下七武海(※)の一角であるサー・クロコダイルに与えられるだろう。スナスナの実の能力者で全身が砂に変わるクロコダイルの戦闘アクションは、『スパイダーマン』シリーズのサンドマンのような迫力をもたらしてくれそうで楽しみだ。
※海軍に認められた7人の強力な海賊。シーズン1ではジュラキュール・ミホークが登場、ジンベエがセリフで言及された。
そして、読者には別の名前でおなじみであるバロックワークスの幹部「ミス・オールサンデー」もアラバスタ編の重要人物。彼女がどのように実写化されるか、ファンはキャストの発表を心待ちにしているはずだ。
【動画】「ONE PIECE」 Netflixにて配信中
今回は大ヒット中の実写ドラマシリーズ版「ONE PIECE」のシーズン2について、期待・予想をまとめた。
まだ未定のことだらけだが、今後も最新情報を追っていきたい。
実写ドラマ版「ONE PIECE」はNetflixにて配信中だ。
☆作品ページ:https://www.netflix.com/title/80217863
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。