人気海外ドラマ「ゴシップガール」のジェニー役で知られる歌手のテイラー・モムセン(30)が、同作を降板した時の心境をふり返った。
「ゴシップガール」(2007-2012)は、ニューヨークの高級住宅街に暮らすセレブ高校生たちの恋愛や友情をスキャンダラスに描いた若者向けドラマ。同作にてテイラーは、ペン・バッジリー演じる庶民派高校生ダン・ハンフリーの妹ジェニーを演じた。
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シーズン1からレギュラーメンバーとして出演していたテイラーは、シリーズ初期こそ清純なイメージを放っていたものの、次第に10代とは思えない素行や過激な発言、ファッションなどが目立つように。シーズン4で出演シーンが激減したテイラーは同シーズンをもって番組から降板した。
そんなテイラーはこのほど、「ゴシップガール」の共演者ペンが司会を務めるポッドキャスト番組「Podcrushed」に出演。その中で、「ゴシップガール」を降板しようと思った経緯を明かしている。
「ゴシップガール」のパイロット版の撮影時、わずか12歳だったテイラーは、中学校の友人たちと離れたくなかったことから同作への出演に消極的だったという。しかし「私よりも大きな力が下りてきて、“これはすばらしい機会だ”と言われたの」と、“誰か”に出演を強く説得された結果「ゴシップガール」のキャストに加わったことを明らかにした。
しかしながら、テイラーは撮影現場で共演者とじゃれ合うことはしなかったようだ。
「あなたたち(ペンら)とも溶け込めなかったし、コナー(・パオロ ※エリック・ヴァンダーウッドセン役)の友人ともなじめなかった。私は新入りの女の子だった。浮いていた女の子だったのよ。私はこのちょっと奇妙で、孤立した世界にいた。ある程度は自分が作り上げたものだけど」
そんなテイラーの心の拠り所となったのが「音楽」であった。テイラーは当時について「自分の人生をふり返ってみると、音楽こそが自分自身でいられる場所だった。――歌を書くことで、自分の気持ちを吐き出せた。私は一人で多くの時間を過ごしていた。自分の派閥は持っていなかったの」と述べ、孤独感を音楽が埋めてくれたことを明かしている。
子役としてキャリアをスタートさせたテイラーだが、徐々に音楽活動に専念(※)したいという想いが芽生えていく。
※テイラーは2008年からバンド プリティー・レックレスのフロントマンとして活動。
「本当の話なんだけど、自分で決断を下せる年齢に達した瞬間、まるでカチッという音がしたの…。ある朝、目が覚めて『ちょっと待って。この仕事をしなくても良いの?ほかの仕事をしなくても良いの?バンドで演奏して、ツアーをして、曲を書けるの?それだけで良いの?』って思ったんだ」
「確かに、テレビ番組から抜け出すのは若干複雑だったけれど、答えはイエスだった。やりたいことができるの。自分の人生をどう生きたいか、生み出す能力がある…。それはまるで突然なにかがひらめいたようだった」
テイラーは「一晩で人生が根こそぎ変わった」と説明する。そして音楽活動に注力したいという彼女の想いを番組側は「契約を解除することはできないが、君を番組から外すことはできる。だからツアーに行くことができるよ。ほかの何かで演技することはできないけれどね」と、優しく受け入れてくれたという。
「彼らは本当に私が夢を追うことを認めてくれた。永遠にありがたいと思っているし、彼らに感謝している」
当時の心境を素直に明かしたテイラーに対し、ペンは「僕らのシーンは本当に良かったのを覚えている。実際の家族のような雰囲気があったからね」「特にいまは父親として、14歳と2歳半の子供がいるんだけど、(テイラーの)存在が父親として今感じるものをもたらしてくれた。子どもがいると、その場にポジティブな要素をもたらしてくれるんだ」と返答。妹役を演じたテイラーとのシーンはペンにとって落ち着く環境であったことを明らかにしている。