スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』が、宮崎駿監督の最後の作品ではないことが判明した。
日本では一切の予告編なしという異例の開幕でもなお大ヒットした『君たちはどう生きるか』の興行収入はすでに80億円に迫っており、大手レビューサイト「Filmarks(フィルマークス)」でもすでに10万人以上が「Mark(観たという意味)」している(※)。
※9月11日時点で今作は101,019Markされている。ちなみに宮崎監督の最近の過去作『風立ちぬ』が175,465Mark、『コクリコ坂から』が107,379Mark。Filmarksが映画ファンに定着してきた時期を考えれば単純計算はできないが、何度もテレビ放送されている2作がこの数値となると、まだ劇場でしか公開されていない『君たちはどう生きるか』が明らかな大注目を浴びているのがわかる。
そんな今作、宣伝方法が異例だっただけでなく、「これまでのスタジオジブリ作品の集大成」とでもいうように、さまざまな過去作を思わせる演出・映像が多い作品であったこともあり、世間では「今作が宮崎駿最後の監督作品ではないか」という話もちらほら飛び出していた。
しかし、トロント国際映画祭で今作の上映の際に登壇した西岡純一(スタジオジブリのスーパーバイザー)によってそのウワサは完全に否定された。
西岡はCBCに対し、「他の人たちはこれが彼の最後の作品になるかもしれないと言っていますが、本人はまったくそう思っていません」と宮崎の消えない制作意欲を伝え、「(宮崎監督は)最近、毎日オフィスに来て、新作のアイデアを練っています。今回は引退を発表するつもりはまったくありません。彼は今も、これまでと同じように仕事を続けています」と、新作が大ヒット中の今すでに新作にさえ取り組んでいることを明かした。
宮崎駿監督といえば、『もののけ姫』ですでに「最後だと思っていた」、『千と千尋の神隠し』の際にも「長編は本当にもう無理ですね」、『崖の上のポニョ』でも「これが最後」「毎回最後だと思ってるんですけど」と、その後も何度も最後を覚悟しては撤回してきたことでもおなじみ。
そんな宮崎監督が「最後」と発言していない今回の方がむしろ珍しいのかもしれない。世界に轟く(とどろく)伝説のアニメ映画監督・宮崎駿。まだまだ制作意欲は衰えないようだ。
『君たちはどう生きるか』は全国で大ヒット上映中。
【動画】ついに公開された『君たちはどう生きるか』予告編
作品公式サイト→ https://www.ghibli.jp/works/kimitachi/
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。