この記事では、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)を代表する名ゼリフ「3000回愛してる」の歴史を振り返る。
マーベルファンなら誰もが、15年間も続いているMCUの中で、お気に入りの名言を持っていることだろう。そしてほとんどのマーベルファンが、アイアンマンことトニー・スタークが娘に言った「3000回愛してる(I love you 3000)」が、中でも歴史に残る名言の1つであることに同意するはずだ。今回は改めてこの優しく温かいセリフについて、裏話や、トニー・スターク役のロバート・ダウニー・Jr.の見解、そして映画の後の使用例などをふり返る。
「3000回愛してる」はどうやって生まれた?
この印象的なセリフは、ネットミームやソーシャルメディアへの愛情あふれる投稿など、大量の反応を生んできた。しかしこのセリフ誕生の真相は、複数の情報筋がそれぞれの見解を示したため、しばらく不透明だったのだ。しかし、脚本家のクリストファー・マーカスとスティーヴン・マクフィーリーはFandangoに真実を明かしている。
マーカスは「間違いなくMCU史上1番印象的なセリフのひとつだが、実はこのセリフ、ロバート(・ダウニー・Jr.)と彼の子供たちが実際に伝え合った言葉で、ロバートは実生活から撮影現場に持ち込んだんだ」と、その素敵なインスピレーションの源はロバート・ダウニー・Jrと子供たちとの交流だったことを明かした。
そして、スティーブン・マクフィーリーによると「(当初の)台本では『Love you tons. Love you tons.(何トン分も愛してる。何トン分も愛してる。)』だったけど、最終版では『Love you tons. Love you 3000.』になった」とのことで、もともとはオウム返しだった返事にロバートの個人的なタッチが加わったことによりエモーショナルさが増し、多くのファンが引用する名ゼリフとなったのだ。
ロバート・ダウニー・Jrによる、この名言の見解は?
もちろん、オスカーノミネート俳優であるロバート・ダウニー・Jr.自身にも、このセリフについての考えがある。
彼は、「トニー・スタークがアベンジャーズの仲間たちにタイムトラベルについて説明するシーンはすごく緊迫した印象だった」とふり返り、「『3000回愛してる』という温かいセリフは、緊迫したほかのシーンの緩和としても必要だった」と語っている。さらに、「あぁ、僕の8歳の子どもがよく言っていた言葉だし、他のたくさんの子どもたちも言うよ。子供たちはまだ愛の大きさを言葉で説明できないから、2,000とか3,000とか、自身が知っている最大の数字を使うことで愛の大きさを表現するんだ。これがすごく重要な気づきだった」と子供の目線ならではのその可愛らしく温かいセリフを分析している。
MCU俳優たちの間でも「3000回愛してる」が大流行
この愛らしい言葉に夢中になったのはファンだけではない。ロバート・ダウニー・Jr.も、MCUで共演した俳優たちもこのセリフを使い始めたのだ。MCU作品出演者が誕生日などの特別な瞬間を祝うのにこのセリフを引用しているのをしばしば目にする。
いつも、ロバートの誕生日が近づくと、彼のコメント欄はこのセリフを引用したコメントで埋め尽くされる。マーク・ラファロ(ハルク役)がこのセリフとバーチャルハグを添えた誕生日のお祝いをロバートに送ったことも話題になった。さらにクリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ役)も、X(旧ツイッター)で「私の絶対的なお気に入りの一人へ。誕生日おめでとう!3000回愛してる」と引用したことがある(現在その投稿は削除されている)。
彼らによるこれらのやりとりは、10年にわたり複数の映画で共演したキャストが、いかに深い絆をつむいできたかを示している。MCUというフランチャイズからは数年離れているにもかかわらず、彼らの有名なグループチャットが証明しているように、スターたちは今でも仲が良い。彼らは、結婚式、追悼、出産などの重要な場面で、しばしばお互いに愛のこもったメッセージをオンラインに投稿する。
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今や「3000回愛してる」はマーベルファンの枠を超え、スーパーヒーローファンでなくとも、元ネタさえ知らずにこのセリフを引用したりもする。
もちろん、ファンはこのセリフ以外にも、複雑なストーリー、激しいアクション、勝利と悲痛に満ちたフィナーレでこの映画を記憶しているが、「3000回愛してる」はアベンジャーズのフィナーレをポップカルチャーの歴史に定着させるのに大きく貢献しただろう。
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フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。