『ハリー・ポッター』のハリー役、『トワイライト』のエドワード役という2つのオーディションに落ちたものの、両シリーズに出演することに成功した俳優がいた。
『ハリー・ポッター』『トワイライト』といえば、どちらも大ヒットして多くのスターを生み出したフランチャイズ。中でも『ハリー・ポッター』シリーズで主演級の活躍をしたダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリントや、『トワイライト』でメインカップルを演じたクリステン・スチュワートとロバート・パティンソンは、その役に人生を変えられたともいえよう。
そんな中、『ハリー・ポッター』でダニエル・ラドクリフが演じたハリー役、そして『トワイライト』でロバート・パティンソンが演じたエドワード役の両方でオーディションに参加し、それらの役は勝ち取れなかったものの両方のシリーズに出演するという稀有(けう)な経験をした1人の俳優がインタビューに答えていた。
その俳優とは、ジェイミー・キャンベル・バウアー(34)だ。
『トワイライト』について
「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のヴェクナ役で再注目されたジェイミーは、1年ほど前にHappy Sad Confusedのインタビューを受け、『トワイライト』エドワード役のオーディションに受けたことを認めると、「本当の話だよ。メールを今も持っているんだ。たしかサミットのウィック・ゴッドフリー(『トワイライト』のプロデューサー)からだと思うんだけど」「サンタ・モニカにあるキャサリン(・ハードウィック監督)の家を横切って、『なんてこった。今起きているすべてを覚えておこう』と思ったよ」と、駆け出しだった当時の大興奮の思い出を語る。
続けてバウアーは「彼らは僕がエドワードの台本を読むことにとても興味を持ってくれてね、『ジェイミーがエドワード役にもたらす、ある種のひたむきさを見ることにすごく興味があるんだ』そんな風に接してくれたんだ」と自分がエドワード役に挑戦した経験を振り返った。
その後、エドワード役ではないものの、ヴァンパイアのカイウス役として『ニュームーン トワイライト・サーガ(2009)』に出演できたジェイミーは、クリステン・スチュワートとの共演ほどのめり込んだことはないと振り返り、朗読中にセリフを間違えてしまい、オーディションの最中に謝ったという経験も笑いながら思い出していた。
『ハリー・ポッター』について
さらに『ハリー・ポッター』シリーズについてバウアーは、「彼らは(ハリー・)ポッターや他のキャストの候補を探しに僕の学校に来て、大勢の中から僕を選んでくれたんだ。それでオーディションを受けに行ったんだ」とオーディションを受けた経緯を説明。
オーディションについてバウアーは「『ハリー・ポッターの賢者の石』のためにロンドンにいるクリス・コロンバス監督に会いに行ったとき、彼らは僕たちにジョークを用意しておくように言っていたんだ。その時僕は、『妖精がクリスマスツリーの上に座る理由』みたいなジョークを聞いたばかりだったんだ。そのジョークは『誰かのお尻の上にクリスマスツリーが乗っている』みたいな本当にお下品なジョークだったのに、オーディションでこのジョークを言ったんだ」「僕は『完全にやらかした。次に進もう』みたいに思ったよ」と、ある意味「黒歴史」ともとれる失敗談を語っていた。
しかしその失敗から10年、バウアーは『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』でゲラート・グリンデルバルドを演じ、2018年の『ファンタスティック・ビースト 黒い魔法使いの誕生』でも同役を再び演じることになった。
俳優がオーディションで受けた以外の役に抜てきされる話はしばしばあるが、大型フランチャイズ2本でそれを実現させた俳優はそう多くはないだろう。今勢いのある若手俳優の1人、ジェイミー・キャンベル・バウアーに今後も注目だ。
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フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。