テイラー・スウィフトが「Slut!」という曲を「1989（Taylor’s Version）」に収録することがわかったことで、スラット・シェイミング（※）に関する彼女のインタビューが再び注目されている。
※スラット・シェイミング（Slut-shaming）：「女のくせに〜」などと、性の固定観念を決めつけ、それと異なる人物や行動を非難・制裁すること。
近く発売されるテイラー・スウィフトの再録アルバム「1989（Taylor’s Version）」には5曲の追加楽曲があり、そのうちの1曲が「Slut!（尻軽女、だらしない女といった意味）」であることが判明した（他の4曲は「Say Don’t Go」「Now That We Don’t Talk」「Suburban Legends」「Is It Over Now?」）。
“Slut”といえば、2019年にテイラーはアップル・ミュージックのゼイン・ロウとのインタビューで、自分がスラット・シェイミングを経験したことについて話していた。
【動画】テイラー・スウィフトがスラット・シェイミングを語ったインタビュー（英語）
「私の曲作りは技術や技能ではないという扱いを受けた」
テイラーは23歳、つまりアルバム「1989」を書いていた時期にスラット・シェイミングを受けたという経験を明かした。
「23歳の頃、私は人々から見下した扱いを受けた。私の交際生活をスライドショーにして、私がパーティーで隣に座ったことのある人たちをそこで紹介されたりとか…。私の曲作りは技術や技能ではなく、トリックのようなものだと決めつけられてもいたの」と、テイラーは“アーティスト”というより、女性として尊厳を軽視された当時をふり返る。
続けてテイラーは「そこでわかったんだ。そうやって人のもっとも暗い部分を取り上げることで、その人の技術を極限まで小さく見せようとする、つまり“尻軽女”扱いしてはずかしめることが人々は大好きなんだってね。若い頃にそれを経験したのは、ちょっと辛かったな。『うわ、こんなのフェアじゃない』と初めて感じた経験の1つかも」と、スラット・シェイミングばかりで自分のアーティストとしての側面を取り上げてもらえなかったことの不当性を語った。
「女性は男性と違って、お金や成功を望むことを許されない」
「女性アーティストや女性の業界人が、愛を求め、お金を求め、成功を求めることが、何か間違ったことであるかのように議論することがどれほど短絡的であるか、人々はわかってないと思う。女性は男性と違って、それら（愛やお金や成功）を望むことを許されていない」と、同じことをしても女性と男性で見られ方が違うことを批判した。
テイラーのインタビューに再注目（Apple Music / YouTube）
「当時に比べれば信じられないくらい時代は進歩した」
同時に、#MeToo運動を経て、23歳の時とは状況が変わったこともテイラーは語っていた。
「私がすごく若かった頃は、なぜ誰もこれが間違っていると言わないのか理解できなかったから辛かったんだと思う」「（その時に比べたら）信じられないような進歩をとげた。私はこうして若い頃に学んだことをふり返ることができるし、20代前半に普通の恋愛を経験したことは、間違ったことではなかったと心から思えてる」と、時代が変わったことで、人々に自分の恋愛事情を口出しされて何も言えなかった頃の恋愛を改めて間違いでなかったと感じられたようだ。
「1989（Taylor version）」は10月27日リリース（@taylorswift / Instagram）
「1989（Taylor’s Version）」は10月27日リリース。
フリーライター（tvgroove編集者兼ライター）。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS（Instagram・X）においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。
