マーヴィン・ゲイの楽曲「Let’s Get It On」の作詞者の相続人が、エド・シーランを著作権違反として訴えていた控訴を取り下げたと判明した。
2017年、エド・シーランの2枚目のアルバム「X」に収録されている楽曲「Thinking Out Loud」について、マーヴィン・ゲイの1973年の楽曲「Let’s Get It On」の共同作詞者エド・タウンゼントの相続人は盗用であると主張し提訴。
5月にマンハッタンの連邦裁判所で1週間にわたって行われた裁判の結果、陪審員たちはわずか3時間の審議で、「Thinking Out Loud」は「Let’s Get It On」のコピーではないと判断し、シーランが勝訴。タウンゼントの相続人が控訴する方向で話は進んでいたが、Reuters誌によると、その控訴は取り下げられたようだ。
控訴取り下げの理由は明らかにされていない。
【動画】エド・シーラン「Thinking Out Loud」ミュージック・ビデオ
【音源】マーヴィン・ゲイ「Let’s Get It On」
タウンゼントの相続人たちは以前、ファレル・ウィリアムスとロビン・シックの「Blurred Lines」が1977年のマーヴィン・ゲイの楽曲「Got To Give It Up」をコピーしたと訴えて勝訴している。
一方シーランも以前、大ヒット曲「Shape of You」に関して著作権侵害の訴えを起こされ、勝訴している。また、自身の曲「Photograph」がマット・カードルの曲「Amazing」を盗用したという主張でも和解している。
山ほど作曲されリリースされる音楽。そのメロディやコード進行が似通うことがあるのは自然な現象だ。有名になればなるほど、こういった争いもついて回る。
勝訴した時点で大喜びしていたシーランだが、控訴も取り下げも決まってさらに安心していることだろう。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。