この記事にはマーベル・シネマティック・ユニバースに関するネタバレがあります。
キャプテン・アメリカ役を長年こなしたクリス・エヴァンスが、『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』の撮影をしみじみ回想した。
19日、GQによるクリス・エヴァンスのインタビュー動画がYouTubeに公開。エヴァンスは『アベンジャーズ/エンドゲーム』でキャプテン・アメリカの人生に1つの締めくくりをもたらしてから4年が経った今、本作での撮影を「エモーショナルだった」と回想している。
【動画】クリス・エヴァンス インタビュー(英語)
クリス・エヴァンスをスーパースターにしたキャプテン・アメリカ役
『ファンタスティック・フォー』でヒューマントーチ(ジョニー・ストーム)役を演じたこともあるクリス・エヴァンスだが、やはりエヴァンスが演じたスーパーヒーローといえばほとんどの映画ファンはキャプテン・アメリカを思い浮かべるだろう。それほど、エヴァンスのキャプテン・アメリカ役はヒーローとして輝いていて、印象的だった。
『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』でキャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)役デビューしたエヴァンスは、『キャプテン・アメリカ』シリーズおよび『アベンジャーズ』シリーズを中心とするMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品の主人公的存在の1人として君臨。カメオ出演(※)も含めると、11のMCU作品に参加した。
※『マイティ・ソー ダーク・ワールド』や『スパイダーマン:ホームカミング』でのちょっとしたゲスト出演
『アベンジャーズ/エンドゲーム』でキャプテン・アメリカことスティーブは、共に戦ってきたアイアンマンことトニー・スターク(演:ロバート・ダウニー・Jr)の英雄的な最期を他のヒーローたちと一緒に見送った後、別の宇宙へ。
スティーブは自分が過ごした人生では叶わなかった、想い人ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)との甘い時を過ごしてから元の宇宙へ帰ってきた。
そして、「キャプテン・アメリカ」の象徴であるシールド(盾)を、これまで隣で戦ってきたファルコンことサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)に託し、ヒーロー人生の引退といえる姿を見せた。
シールドを手放す日が近いと思いながらの最後の撮影期間
アイアンマンを演じたロバートへのリスペクトを示したり、ソーの武器「ムジョルニア」を手にした撮影をお気に入りだと語った後、エヴァンスは“最後の撮影”を回想し始めた。
「『エンドゲーム』の時は本当に毎日感謝して、すべてを自分の中に吸収しようとしていた。(スティーブでい続けることを)当たり前だと思っていたわけじゃないけど、ユニバースの渦中にいると、『ああ、来年もマーベル映画があるよね』みたいな感じだった。でも『エンドゲーム』の時は違ったね。『わあ、あと2週間で撮影が終わる。この10年間、僕の人生の大半を占めてきたシールドを手放す時が来るんだ』って思いながらの撮影だった。(だから特に)『エンドゲーム』でのほとんどの仕事は、本当に本当に、愛すべき体験だったんだ」とエヴァンスは『エンドゲーム』の撮影がいかに特別だったかを説明した。
「学校を卒業する気分。感謝の気持ちでいっぱいだ」
続けてエヴァンスは「最後の撮影日はエモーショナルだったよ。学校を卒業する気分だったね。つまり、その日が来ることはわかっていたのに、でもやっぱり突然その日が来たような、あっという間って感じ。(MCUの出演によって)僕の人生も、僕の家族の人生だって大きく変わった。スティーブ役の影響は、はかりしれないよ。少なくとも僕は、すばらしい時を過ごさせてもらった。感謝の気持ちでいっぱいだ」と人生を大きく変えたスティーブ役への感謝と、最終日の思い出をしみじみ振り返っていた。
そんなクリス・エヴァンスがスティーブ・ロジャースを再演するというウワサは何年も前からあり、CINEMA BLENDに対して「絶対にないとは言わない」と語っていたが、同時にエヴァンスはこの役を「非常に大切な役」であるため、復帰が「ヒット狙いの客寄せ」のように感じられたり、周囲の期待に応えられなかったりする形なら復帰したくないとも発言していた。
2024年6月26日に全米公開予定の『Captain America: Brave New World(原題)』では、ドラマシリーズ「ファルコン・アンド・ウィンター・ソルジャー」でキャプテン・アメリカの座を継承したサム(アンソニー・マッキー)がメインとなるはずだが、今後の「キャプテン・アメリカ」像がどのように描かれていくのか、まだまだ目が離せない。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。