この記事では、最も高額な製作費がかけられたドラマシリーズ12本を紹介する。
大作といえるようなドラマシリーズは、どれも多大な製作費がかけられる。そして、ヒットすれば多大な経済効果を生む。
アメリカの平均的なネットワーク配信ドラマの製作費は1エピソードにつき300万ドル(約4億4700万円)、ケーブル配信ドラマは平均200万ドル(約2億9800万円)だというが、今回紹介するシリーズはすべて、少なくとも1000万ドル以上を上回る大作たちだ。
今回は、誰もがタイトルは聞いたことがあるであろう有名シリーズから、意外な作品まで、製作費が高額な12作品をカウントダウン形式で発表する。
12位:「ザ・クラウン」1話につき1300万ドル(約19億3800万円)
2016年からNetflix(ネットフリックス)で配信され、シーズン5まで作られている今作が11位にランクイン。
エリザベス2世の象徴的なウエディングドレスを再現するだけでも、ファーストシーズンで約4万7000ドル(約700万円)がかけられたとのこと。
【動画】「ザ・クラウン」シーズン5 予告編
ちなみに、「ER 緊急救命室」にも同じくらいの予算がかけられているという。
11位:「ザ・モーニング・ショー」1話につき1500万ドル(約22億3700万円)
AppleTV+でシーズン3まで配信中のシリーズ。アップル社はジェニファー・アニストン、リース・ウィザースプーン、スティーヴ・カレルといった豪華キャストに多額の予算を費やした。
【動画】「ザ・モーニング・ショー」シーズン3 予告編
10位:「See〜暗闇の世界〜」1話につき1500万ドル(約22億3700万円)
こちらもAppleTV+でシーズン3まで配信中。DC映画のアクアマン役でも知られるジェイソン・モモアが主演を務めた。
最終シーズンを迎えたシーズン3では印象的なディストピアの世界を作り上げ、各エピソードに約1500万ドル(約22億3,700万円)かかったと計算されている。
【動画】「See〜暗闇の世界〜」シーズン3 予告編(海外版)
9位:「マンダロリアン」1話につき1500万ドル(約22億3700万円)
Disney+(ディズニープラス)における最初の「スター・ウォーズ」スピンオフ作品である今作には、高額の予算がかけられた。
[PR]特に「ベビー・ヨーダ」などとも呼ばれたグローグーのCGには多額の予算がかけられたといわれている。
【動画】「マンダロリアン」シーズン3 予告編
8位:「ゲーム・オブ・スローンズ」1話につき1500万ドル(約22億3700万円)
誰もが予想するとおり、ランクインをはたしたこの超大作シリーズ。
もっとも予算がかかった「最終章」(シーズン8)はもちろん、「第一章」ですら1話につき600万ドルがかけられたという。
【動画】「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章 予告編
7位:「ONE PIECE」1話につき1800万ドル(約26億8400万円)
話題沸騰中の実写ドラマシリーズ版「ONE PIECE」は、製作にコミック原作者・尾田栄一郎を加えて徹底された内容を追求した。
コミックならではの世界観を可能な限り忠実に実写映像に落とし込んだ“能力者”同士のバトルや、特殊な種族など、全力で工夫をこらしたことがわかる。
【動画】「ONE PIECE」予告編
6位:「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」1話につき2000万ドル(約29億8200万円)
7位の「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚を描くスピンオフである今作は、オリジナルを上回る製作費が話題になっていた。
U-NEXTにて独占配信中![PR]
Variety誌によれば、チームが可能な限り効率的かつ効果的にクオリティの高い作品を作れるようになったことで、HBOは今作の製作費が「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章の製作費を大幅に上回らないように努力することができたという。
【動画】「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」 予告編
5位:「ザ・パシフィック」1話につき2100万ドル(約31億3100万円)
スティーヴン・スピルバーグやトム・ハンクスが製作に名を連ねた2010年のミニシリーズで、第二次世界大戦における太平洋海戦の壮絶な再現に高額な製作費が費やされた。
【動画】「ザ・パシフィック」予告編
4位:MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の作品群 1話につき2500万ドル(約37億2800万円)
Disney+で配信されているMCUのドラマはどれも高額な製作費が投入されているが、中でも「ワンダヴィジョン」「ファルコン・アンド・ウィンター・ソルジャー」「ロキ」「ホークアイ」などは1話で2,500万ドルが費やされているという。
[PR]【動画】「ワンダヴィジョン」予告編
3位:「ストレンジャー・シングス 未知の世界」1話につき3000万ドル(約44億7300万円)
Netflixを代表する大人気ドラマシリーズで、ファイナル・シーズンも控える今作はもちろん上位にランクイン。1位を予想するファンもいたのでは?
毎話で映画並みのクオリティを披露したシーズン4は大きな話題を呼んでいた。
【動画】「ストレンジャー・シングス」シーズン4 予告編
では、そんな「ストレンジャー・シングス」を凌ぐ製作費がかけられた作品とは…?
2位:「シタデル」1話につき5000万ドル(約74億5500万円)
今作が2位なのはAmazonプライムビデオにて配信された6話構成の今作、製作費の合計はなんと3億ドルにのぼる。
製作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』のルッソ兄弟、主演はジェームズ・マッデン(『エターナルズ』「ゲーム・オブ・スローンズ」)とインドにルーツを持つ大スター、プリヤンカー・チョープラー(『マトリックス レザレクションズ』)という豪華なスパイシリーズだ。
シーズン2も正式に決まっており、スピンオフなども視野に入れて製作されている今作には、気合の入った製作費が用意された。
さらに撮影がコロナ禍の影響を大きく受けたこともあり、大幅にコストが増大したといわれている。
【動画】「シタデル」予告編
そして栄えある第1位は…?
1位:「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」1話につき5800万ドル(約86億4800万円)
『ホビット』を含めた映画作品群も人気だったこのシリーズが、1話にかけられた製作費でトップを飾った。
「ロード・オブ・ザ・リング」の世界観を見事に再現するためには、それだけの予算が必要だったということだろう。
【動画】「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」予告編
今回は、1エピソードにかけられた製作費が高額なドラマシリーズを12作品紹介した。
予想しやすい大ヒット作から、日本では少しマイナーかもしれない意外な作品まであるランキングになったのではないだろうか。
多額の予算を惜しみなく使って製作されたこれらの大作を、ぜひ各種ストリーミングサービスなどで楽しんでいただければ幸いだ。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。