ケイティ・ペリーの不動産争いがきっかけで、彼女の名前を冠した法律が創設されようとしている。
過去数年間にわたり、ペリーは高齢の住宅所有者との間で、カリフォルニア州の住宅売却をめぐるいくつかの法廷闘争に巻き込まれてきた。そして現在、名誉か不名誉か、不動産売買契約における高齢者の権利を守ることを目的とした全国的な立法活動が、ペリーの名前を冠して始まっている。
「ケイティ・ペリー法」って?
現在ペリーとの法廷闘争の渦中にある住宅所有者家族が主導する「the Protecting Elder Realty for Retirement Years Act(定年退職後の高齢者不動産の保護法)」は「ケイティ・ペリー法」とも呼ばれ、さまざまな健康上の不安を抱える高齢者を、不動産取引において起こり得る金銭搾取から保護する措置の導入を目指している。
その新法について情報が掲載されたウェブサイトによると「ケイティ・ペリー法は、高齢者との金銭的やりとりにおける権利濫用のリスク、特に財産や不動産の売買・譲渡に関するリスクに対処するものである。同法は、当事者の一方が75歳以上である個人住宅の譲渡契約において、当事者のいずれかが違約金なしに契約を取り消すことができる72時間のクールダウン期間を定めている」とされ、高齢者に契約取り消しの猶予期間を設けるというものだ。
きっかけになった争いって?
「ケイティ・ペリー法」創設のきっかけとなった訴訟は、ペリーと起業家カール・ウェストコット(84)による争いだ。ウェストコットは、8ベッドルーム、11バスルームのサンタバーバラの邸宅をペリーとそのパートナー、オーランド・ブルームへ売却する契約を中止するよう求めて訴訟を起こした。ペリーとブルームはこの豪邸を1500万ドルで購入する予定だったが、現在ウェストコットと家族はこの取引を止めようとしている。
ウェストコットの主張は、彼は精神的に衰え、大手術の後に処方されたアヘンを使用していたため、売却に正常な状態での同意が行えなかったというものだ。
過去にも不動産争いをしていたペリー
今回の法廷闘争は、ペリーが高齢の不動産所有者との争いに巻き込まれた初めての例ではない。数年前にもペリーは、カリフォルニアの不動産を他の買い手に売却しようとした修道女グループと法廷で争っていた。最終的にペリーは勝訴したが、不幸にも裁判中に修道女のひとりが倒れ、その後亡くなったことが人々の記憶に残った。
今回の件がどう落ち着くかはまだわからないが、動向に注目だ。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。