ベン・アフレックが、『アルマゲドン』の設定に無理があると感じたものの、マイケル・ベイ監督に黙らされたというエピソードを紹介。
1998年に公開された『アルマゲドン』は、その年もっとも興行的に成功した映画だった。しかし、批評家からの評価はそこまで高くはない。
『アルマゲドン』では、巨大な小惑星が地球に迫るため、NASAはベテランの石油掘削業者(ブルース・ウィリス)とそのチーム(ベン・アフレック、スティーブ・ブシェミ、オーウェン・ウィルソン、マイケル・クラーク・ダンカン、ウィル・パットンらが参加)を採用し、彼らを宇宙飛行士に訓練。掘削業者たちを宇宙へ送り、小惑星の奥深くまで掘削して核爆弾を埋め込むことで、小惑星を粉々に吹き飛ばし、地球を救おうとする。
【動画】『アルマゲドン』予告編(英語)
今作は5億5300万ドル以上の興行収入を上げたが、批評家の中では賛否両論で、多くの批評家が物語がハチャメチャすぎると指摘した。
実は、出演者であるベン・アフレックも同様の懸念を抱いており、それを撮影中にベイに伝えていたのだ。今作のDVDコメンタリーにて、アフレックはプロットについてベイと交わした会話を回想している。
「マイケル(・ベイ監督)に僕が『石油掘削工を訓練して宇宙飛行士にするより、宇宙飛行士に掘削技術を学ばせた方が簡単じゃないか』と聞いたら、彼は僕に『黙ってろ』と言ったんだ」「ベン、黙っててくれ。いいね?これは現実的なプランだから(とベイに言われた)」と現実的な指摘を強引に切り捨てられた記憶をふり返るアフレック。
「僕は『NASAが石油掘削工を訓練するのが現実的なプランだっていうの?』って態度だったけど、彼は『いいから黙ってろ!』って感じだった」と強行的なベイに発言を封じられてしまったようだ。
映画作品がいつでも現実に即している必要はないが、せめて物語の中で納得のいく理論があることは期待される。
作品は大ヒットしたものの、アフレックは少々モヤモヤした気持ちを抱えたまま演技をしていたのかもしれない…。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。